モーリス・ドニ「イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像」(ドビュッシー展より)
待ちに待った3連休ということでさっそく昨日、
ブリヂストン美術館の「ドビュッシー、音楽と芸術」を見てきました。
どっちかというと玄人好みの難しめな展示をイメージしてたんですが、
いやいやとんでもない!
オルセー美術館・オランジュリー美術館との共催だけあって、
まさかの名品がざっくざくで。
なかでも個人的にうれしかったのがモーリス・ドニ。
彼の作品がなんと9点、夢のようなひとときでした。
Portrait of Yvonne Lerolle in Three Guises(1897)
Maurice Denis
こちらはモーリス・ドニ「イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像」。
一人の女性を衣装・ポーズを変えて
三位一体の存在として描いた作品で、
朝昼晩、あるいは女性の成長といった時の変化を表しているんでしょうか。
それぞれの女性と白い薔薇の関係性も意味深ですね。
この作品は2010年にオルセー美術館に新たに収蔵されたそうで、
額縁もドニ本人が手がけているのだとか。
それにしても……きれいだなぁ。
ドニが描く女性ってふくよかで優しげなイメージが強いけど、
こちらはすらっとした気品ある美しさ。
ほれぼれしてしまいました。
ドニはドビュッシーと交流が厚く、
「選ばれし乙女」の楽譜の挿絵を描いたことも。
そして若き2人を支援した画家がアンリ・ルロールという人で、
その娘が本作のモデルをつとめたイヴォンヌ・ルロールなわけです。
今回の展覧会では、こうした音楽家と画家の交流のなかで生まれた
さまざまな作品を通して、当時の芸術家達のつながり・重なりを
また違った角度から見ることができます。
印象派から象徴派、さらには浮世絵まで、
東西の名品が真っ青な壁に飾られたさまは圧巻の一言。
まるで海の中にいるような、そんな涼しげな気持ちにさせてくれます。
ドニの作品はこのほか、代表作「木の葉に埋もれたはしご」や
オルセー展でも来日していた「ミューズたち」など、
これはドニ展なんじゃないかと錯覚するくらい粒ぞろい。
展覧会を見終わったあともドキドキが止まりませんでした。
そういえば、普段音声ガイドは使わないので今回も遠慮したんですが
これが実はかなりいいらしく、
解説を聞きながらドビュッシーの曲を楽しめるという……。
もう1回行こうと思ってるので、
そのときには音声ガイド使ってみようと思います♪
最後におまけ。
ドビュッシーがイヴォンヌ・ルロールのために作った曲だそうです。
今日も明日もがんばろう。
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