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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

船田玉樹「ねむれない夜は」

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練馬区立美術館の「船田玉樹展」、
目に鮮やかな桜や紅梅、詩情漂う水墨画など
多種多様な作品が並ぶなかで、ひときわ印象深かったのが河童の絵。
こんな作風はまったくイメージしていなかっただけに、
妙に愛らしくて思わず笑みがこぼれてしまいました。


船田玉樹「ねむれない夜は」
 insomniac nights
 Funada Gyokuju




こちらは船田玉樹「ねむれない夜は」。
もう、見事に肩の力の抜けた河童の背中です。
どことなく寂しい、でもそれさえも楽しんでいるようで。
展覧会では河童を描いた水墨画が約15点も展示されていて、
いずれもこんな雰囲気の愛らしい作品なのです。
この「ねむれない夜は」のように詩が添えられた作品もいくつかあって、
それがまたユニークでおもしろいんですよね。
画家の存在がぐっと身近に感じられて、うれしくなってしまいました。


玉樹はみずからを「河童堂主人」なんて称していて、
「その河童をやめてくれ」「痩河童」といった
河童にまつわる詩集を出すほどだったようです。
図録には詩がたくさんおさめられていて、ほんとにどれも面白い!
なかでも「その河童をやめてくれ」の序文が素晴らしかったので、
最後に一部紹介させていただきたいと思います。


聖人君子然といふのは他人事ではない。ずい分恥知らずの気まま勝手をやつて来たことに於ては人後におちぬつもりの僕でも、気持のどこかで君子然としなくてはいけないのだといふ心がうごいていて(うごくだけで一向君子然としないのだが)この職業意識が全くいやだつた。僕が河童画を描いたらバカにしたものもあつたろうが僕がまだかちかちの人間でないと知つてよろこんでくれた者も沢山あつた。こゝに河童の詩を発表することはそうした意味で下手すれば妙な老境に入りそうな男があつてはならないと、大いに若返つたつもりを見せた、といふことになります。まことに恥づかしいことです。
(「その河童をやめてくれ」自序より)



練馬区立美術館の「船田玉樹展」は、9月9日まで。
途中展示替えがあり、15点ほどが入れ替わります(後期は8月11日から)。
そのあと、来年1月21日から広島県立美術館へ巡回します。
う〜む、8月後半にもう一回見に行こうかな♪




今日も明日もがんばろう。
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