足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

レーピン「休息 —妻ヴェーラ・レーピナの肖像」(レーピン展より)

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今日は渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムへ。
「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」を見てきました。
ロシアが誇る19世紀絵画の巨匠、イリヤ・レーピンの作品が約80点。
日本初の本格的回顧展ということで、期待に胸が高鳴ります。


レーピン「休息 —妻ヴェーラ・レーピナの肖像」
 “A Rest” Portrait of Vera A. Repina, Wife of the Painter(1882)
 Ilya Repin




こちらはイリヤ・レーピン「休息 —妻ヴェーラ・レーピナの肖像」。
肘掛け椅子にもたれてまどろむ妻の姿が描かれています。
もともとは目を開いている姿を予定していたそうで、
モデルをつとめている最中に疲れて寝入ってしまったヴェーラと、
彼女をやさしく見つめるレーピンの姿が目に浮かぶようです。
結果として、華やかで仰々しい衣装にもかかわらず
とてもプライベートな、リラックスした雰囲気が伝わってきます。
家族を描いた作品は他にもいくつか展示されていて
豪奢の衣装に愛くるしい瞳の「少年ユーリー・レーピンの肖像」や、
印象派風外光表現の「あぜ道にて」などなど。
いずれも深い愛情や精神的つながりを感じさせる作品で、
きっと家族思いな人だったんだろうなぁ。

レーピン「少年ユーリー・レーピンの肖像」
 「少年ユーリー・レーピンの肖像」。レーピンの息子さん、かわゆい。



レーピンはウクライナで生まれ、
陸軍地形測量学校で水彩画を学び、
ペテルブルク美術アカデミーで頭角をあらわします。
イワン・クラムスコイの影響を受け、
1873年、「ヴォルガの船曵き」がヨーロッパ中の注目を集めることに。
その後ヨーロッパ留学中に古典絵画と印象派に触れ、
なかでもマネの作品に特別の関心を寄せていたそうです。
社会に向けた厳しい視点や黒の使い方は、
確かにマネに通じるものがあると感じました。


ロシアに戻ってからはさまざまな文化人と交流し、
数々の肖像画を手がけていきます。
今回の展覧会でも「肖像」とタイトルについた作品が約30点、
全体の3分の1以上を占めていることになります。
ムソルグスキーやクラムスコイ、トルストイといった有名芸術家の肖像画もあって
特にトルストイは、問答無用で背筋がぴんと伸びてしまいました。
迫力というか、威厳というか、文豪の精神性が見事に表現されているようで。

レーピン「レフ・トルストイの肖像」
 「レフ・トルストイの肖像」。菜食主義でも有名なロシアの大文豪。



それとレンブラント作品の模写「老女の肖像」も要チェック。
エルミタージュ展で展示されていた本家作品と
どこが違うか比べてみると楽しいです。
個人的には、レンブラントのほうが明暗表現はやっぱり優れているし
老いを描くという点においても容赦がないと感じました。
まぁ、レーピンが模写したのは20代のときだというから。。


レーピン展はBunkamura ザ・ミュージアムで10月8日(月・祝)まで。
そのあと浜松市美術館(2012年10月16日〜12月24日)、
姫路市立美術館(2013年2月16日〜3月30日)、
神奈川県立近代美術館 葉山(2013年4月6日〜5月26日)に巡回します。
何回見にいってもいいくらいの充実の内容でしたが
会場によって展示内容がけっこう変わるみたいなので、
来年神奈川に来たときに、もう1回見に行きたいなぁと思ってます。
これからBunkamuraまで見に行くという人は、
金・土曜の夜間開館がオススメ。
夜の21時まで開館してて、のんびりじっくり見れます。
ぼくも今日は19時半くらいに行ったんですが、
初日なのに混雑どころか、見事なくらいにガラガラでした(笑)
美術鑑賞はこのくらいまったりした雰囲気のほうがいいですね♪


さて、次回は例の怖い絵、レーピン「皇女ソフィヤ」を紹介したいと思います。
夏の暑さも一気に吹き飛ぶ……かも。



今日も明日もがんばろう。
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