ブリューゲル「怠惰」(ブリューゲル版画の世界 その5)
暑い日が続いていますが、
だからといってダラダラ過ごしていると・・・
悪魔に目をつけられてしまいます。
Sloth(1558)
Pieter Bruegel the Elder
ピーテル・ブリューゲルの「7つの罪源」シリーズより、
4番目に紹介するのは「怠惰」。
下部の銘文は
「怠惰は堅固な精神を打ち砕き、長き閑暇は意志の力を挫く」
「怠惰は人を無力にさせて神経を枯らし、人をまったく役立たずにする」。
なんともはや、他人事ではないこのテーマ。
ついさっきまでクーラーびんびんの部屋でごろ寝していた自分に、
喝を入れねばなりません。
下部中央では、「怠惰」を象徴する動物、
ロバの背に寄りかかって
居眠りをする女性の姿。
枕を薦める怪物の姿がなんとも滑稽です。
周囲にはカタツムリが這い回り、
遠景にも巨大なナメクジのような動物が見て取れます。
そのほか、寝たまま食事をする人間や
舟の上で排泄する怪物など、
目を背けたくなるようなだらしない姿の数々。
あぁやばい、やっぱり他人事じゃない・・・。
ところで、気になるのは画面左上の時計。
腕の形をした針が指し示すのは、11時。
これもまた、意味深です。
あと1時間で終末(12時)が訪れるのか、
それとも再生(0時)を迎えようとしているのか。
どちらに転ぶかは、見る人の心がけ次第なんでしょうね。
「ブリューゲル版画の世界」は8月29日までの開催。
公式ホームページはこちらです。
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