シャルダン「銀のゴブレットとりんご」(シャルダン展より)
ほんとうに静かな絵。
何も語らず、ただそこにある。
とかく気ぜわしい世の中だから、
時にはこんな静寂に浸るのもいいと思います。
Silver Goblet(c.1768)
Jean Siméon Chardin
こちらはジャン=シメオン・シャルダン「銀のゴブレットとりんご」。
静物画の名手、シャルダンの代表作です。
三菱一号館美術館のシャルダン展では
こうした静物画がずらっと並んでいるんですが、
なかでも印象的だったのが銀や銅の食器の表現でした。
たとえば画面左の銀のゴブレットは、
手前のりんごを映して静かに光をたたえています。
すべらかな手触りまで感じられますね。
一方右側の銅の器は、何物も反射せず
ひっそりと後方にたたずんでいます。
どちらも控えめながら、物質特有の前後感というか序列のようなものがあって
じっと見つめていると、静かな静かな物語が紡がれていくようです。
対作品「肉のない食事」と「肉のある食事」。それぞれの食器にも注目。
ところでシャルダンですが、
日本人にとっては芳香剤のイメージのほうが強いかもしれませんね。
実は40年ほど前に、画家シャルダンの名前にちなんでエステーが発売したのだそうです。
エステーというと消臭力をはじめとする変なCMのイメージが強いけど……
なんか見直してしまいました(笑)
今日も明日もがんばろう。
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