シャルダン「カーネーションの花瓶」(シャルダン展より)
静物画の巨匠シャルダンですが、
意外なことに花を描いた作品はほとんどないそうです。
現存するのはわずか1点のみ。
それが三菱一号館美術館のシャルダン展に出品されている
「カーネーションの花瓶」です。
Bouquet of Carnations(c.1754)
Jean Siméon Chardin
デルフト製の花瓶に生けられた花々は
種類の判別が難しいくらい大胆に描かれていて、
シャルダンのほかの静物画とは明らかに性質を異にしています。
静物とはいえ、花瓶の花はまだ命ある存在だから?
香気をはなち、刻一刻と変化していくから?
理由は分からないけれど、ぼくは激しくこの絵に惹かれました。
色彩のバランスも見事だし、この気品あるたたずまいといったら……。
ちなみに描かれた花はカーネーション、月下香、スイートピー、
クロッカス、小さな百合の花だそうです。
花の絵といえば、三菱一号館美術館では
ルドンの「グラン・ブーケ」もあわせて展示していました。
高さ248.3cmもの、超巨大な花束。
シャルダンの静かなカーネーションと比較してしまうと
どうにもこうにも毒々しくって(笑)
ルドン展に行きそびれた方は、この機会にぜひ。
今日も明日もがんばろう。
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