足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

アンソール「海浜の着替小屋」(アンソール展より)

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誰もいない砂浜。
ぽつんと置かれた車輪付きの小屋は、
海水浴客が着替えをするための設備です。
ジェームズ・アンソール「海浜の着替小屋」。
影は長く、もうじき日が沈むのでしょうか。


アンソール「海浜の着替小屋」
 The Bathing Hut(1876)
 James Ensor




このとき、アンソールはまだ16歳。
ちょうどオステンドの美術学校に入学した年の作品になります。
損保ジャパン東郷青児美術館でこの作品を見たとき、
自分が抱いていたアンソールのイメージと
あまりにかけ離れていて驚きました。
こんなに静かで、情感あふれる作品を描いていたんですね。
ここには仮面や骸骨のような虚飾は一切なく、
置き去りにされた寂しさのようなものが
素直にあらわれているように思います。


アンソールが生まれたオステンドは、
避暑地として有名な港町だったそうです。
一流のホテルやカジノを備えたリゾート地で、
夏ともなれば上流階級の人々が訪れ、
海辺はさぞかしにぎわっていたことでしょう。
しかし「海浜の着替小屋」からは、
そんな楽しげな雰囲気などみじんも感じられません。
この前年に父が破産宣告を受けたことも影響しているのでしょうか。
語学に秀で、音楽の才もあり、
何よりアンソールに絵の手ほどきをした父。
職を失ってからは女達が切り盛りする土産物屋で肩身の狭い思いをし、
アルコールに逃げていった父への思いを、
物悲しい風景画に託したのかもしれませんね。



ところで。
夏といえば海なわけですが、
結局今年はほとんど遠出することもなく、
海を見に行くこともなく終わりそうです。
気がつけばずいぶん涼しくなっちゃいましたもんね。
もともと海で泳いだりっていうのは好きじゃなくて、
どっちかというと遠目から眺めたり砂浜を歩いたりってほうが好きなので
まぁ別に夏じゃなくてもいいわけですが(笑)
ちなみに昨日は、荒川沿いを散歩してきました。
川風に吹かれながら、水の音を聞きながら、
ぼんやり物思いにふけるのもいいものです。




今日も明日もがんばろう。
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