クロード・ロラン「日の出」(メトロポリタン美術館展」より)
3連休初日だったわけですが、
前日に朝まで飲んでしまったせいで目が覚めたら昼過ぎ。
いろいろ予定を変更して、
東京都美術館の「メトロポリタン美術館展」に行ってきました。
メソポタミア文明の工芸品から近現代の作品まで、
実に4000年にわたる芸術の粋にひたることができる展覧会で、
「実物で見る百科事典」という表現にも納得でした。
ということでまずはこちら、
展覧会の冒頭を飾る、クロード・ロランの「日の出」です。
Sunrise(c.1646-47)
Claude Lorrain
明け方の空は美しく表情を変え、牧人達の一日がはじまります。
アルカディア(理想郷)を思わせる、黄金のきらめき。
自然のなかの生が前景にいきいきと描かれているのに対し、
樹々の向こうには城塞があり、
そこには牧人達とはまったく異なる時間が流れているのでしょうか。
朝日を受止めてかすかに光と透明感を宿した樹々と、
小川の右奥で影をはらんでいる樹々の対比も見事。
やがて空は青く澄み渡り、水面がきらきらと輝き出すのでしょう。
「メトロポリタン美術館展」のテーマは「自然」だそうで、
展覧会はそれにしたがって7つの章で構成されています。
第1章 理想化された自然
第2章 自然のなかの人々
第3章 動物たち
第4章 草花と庭
第5章 カメラが捉えた自然
第6章 大地と空
第7章 水の世界
といった具合で、それぞれ時代・国境を越えた名作がずらっと並びます。
絵画だけでなく、工芸品も垂涎ものの名品ばかり。
計133点、眩暈がしそうなひとときを堪能いたしました。
次回以降も、しばらくこの展覧会の作品を紹介していきたいと思います。
ちなみに今回は坂本龍一が展覧会の楽曲を担当しており、
図録を購入すると先着でCDがもらえます。
曲は公式サイトでも聞けるみたいですね。
会期は2013年1月4日まで。
今日の時点ではまだすいてましたが、じきに混雑しだすことが予想されます。
10月19日(金)、20日(土)は特別に21時まで開館とのことで、
この2日間を狙って行くのがいいと思います。
東京都美術館、夜のまんまる。幻想的♪
ところで、今回ご紹介したクロード・ロランといえば
17世紀に活躍した古典的風景画の代表格。
英国ロマン主義の画家、ターナーも彼の影響を受けています。
ということで……
2013年秋、東京都美術館で「ターナー展」開催!! だそうです!!
チラシも入手してまいりました。
ロンドンのテート美術館から、油彩画の代表作約40点と
水彩画の名品の数々を紹介する大回顧展とのこと。
これは期待が高まります!
それからもうひとつ、うれしい展覧会情報。
震災の影響で中止になってしまった、
横浜美術館の「プーシキン美術館展」。
こちらも来年4月に開催が決まったそうです。
ようやくジャンヌ・サマリーにあえるわけですね♪
2013年も絵画好きにとって胸の高鳴る一年になりそうです。
余談が長くなりますが、3連休は美術館めぐりに明け暮れたいと思っています。
山種美術館の竹内栖鳳展、
国立新美術館のリヒテンシュタイン、
太田記念美術館の月岡芳年展、
永青文庫の秋期展(春草の黒猫ちゃん!)、
それから府中市美のデルヴォー展も気になります。
江戸東京博物館の川村清雄(目黒区美とあわせて行くのがいいかな)、
パナソニック汐留ミュージアムのルオー、
出光美術館のやきものも……。
Bunkamuraのレーピン展も、もう1回見ておきたいし
ほかにも気になるのがたくさん。。
宮本輝の新作も読まなきゃだし、
あぁ大変だ!(笑)
今日も明日もがんばろう。
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