ブリューゲル「大食」(ブリューゲル版画の世界 その7)
友達と飲みに行ってました。
ここんところ、暇さえあれば飲んでる感じです。
仕事が暇なんで飲んでばっかです。
そんな自分が紹介するのもアレなんですが
今回はピーテル・ブリューゲルの「7つの罪源」シリーズより、
6番目の作品、「大食」です。
Gluttony(1558)
Pieter Bruegel the Elder
下部の銘文は、
「暴飲と暴食は慎むべし」
「酩酊と暴食するのをつつしめ。度を超すのは、神と自分自身を忘れさせるから」。
中央下部では擬人像が、ピッチャー一気飲み!とばかりに酒をあおっています。
彼女の足元には、「大食」を象徴する豚の姿。
右下には、食べ過ぎてお腹の皮がもたなくなって、
切開してもなお、食べるのをやめられない悪魔の姿。
さんざん飲んどいて、ラーメン食べに行こうかどうか迷ってしまう自分のようだ。
ところで銘文を見ても分かる通り、「大食」とはいっても、
食べることより飲むことのほうが先に来てるわけですね。
実際、作品を見ても飲酒の方が強調されています。
前回の「嫉妬」同様、現代の「大食」と当時の「大食」は
意味合いが違うようです。
そもそも当時はお腹いっぱい食べられることが稀で、
飢餓の恐怖を感じずにすむのはごく一部だったわけです。
人々は常に空腹を感じており、それが飲酒につながったようで。
時代は異なりますが、かのイエス・キリストでさえ
マタイ伝では「大酒飲みの大食漢」と表現されているくらい。
貧しくてひもじいからこそ、それを忘れるために酒を飲み、
食べられるときには意地汚いくらいに大食にはしってしまったのでしょう。
というわけで、明日からお酒を飲みたくなったら
この作品を思い浮かべることにしたいと思います。
結局飲んでしまうのだろうけれど。
「ブリューゲル版画の世界」は8月29日までの開催。
公式ホームページはこちらです。
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