竹内栖鳳「象図」(竹内栖鳳展より)
金地の屏風に象の巨体。
どことなく哀しげな眼に感じられるのは、
野生ではなく飼われて芸をする身だからでしょうか。
竹内栖鳳「象図」。
山種美術館の回顧展より。
Elephants(1904)
Takeuchi Seiho
金地に水墨の動物作品といえば
栖鳳の場合は獅子や虎が思い浮かびますが、
こんな作品も描いていたんですね。
これも1900年の渡欧経験の賜物なのでしょう。
日本画の系譜とは一線を画す動物描写。
と思いきや、左隻の象の背中には猿がちょこんと乗っていて、
大小の動物の対比は長沢蘆雪の「白象黒牛図屏風」を思わせます。
蘆雪の場合は象の背中にカラス、牛のおなかに仔犬を配し、
おおげさすぎるくらいな描き方をしているわけですが(笑)
西洋絵画の写実を学びながらも、
栖鳳は「象図」のなかに円山派の趣向を描き込んでいるんですね。
参考:長沢蘆雪「白象黒牛図屏風」より。
象といえば、小学生のときに図工で象をモチーフにした作品をつくって、
県の賞をもらったのを思い出しました。
自慢できるようなレベルの話でもないんですが、
中学くらいまでは絵を描くのも得意だったんだよなぁと。
いろんな賞をもらったり、
水墨画を描いて見知らぬご老人からファンレターをいただいたことも(笑)
文章ではなくて、絵画の道に進んでたらどうなってたかな。
今でも時々、なにか描いてみたくなることはあるけれど。
今日も明日もがんばろう。
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