宮永愛子「untitled -butterfly-」(なかそら より)
それはまるで氷の結晶のように
触れたら消えてしまいそうで
その不確かな存在が心をぎゅっと締め付けるのでした。
美しく儚い、白の世界。
宮永愛子の個展「なかそら —空中空—」が
国立国際美術館で開かれています。
untitled - butterfly -
Miyanaga Aiko
宮永愛子「untitled -butterfly-」。
薄暗い部屋に正方形の硝子のパネルが並び、
そこには氷晶の蝶が閉じ込められていました。
ナフタレンで作られた半透明の翅は
時間とともに少しずつ形を失っていくのでしょう。
やがては白い灰となり、闇に溶けていくのでしょう。
滅びゆくものは冷たく冴え返り
見る者に何かを問いかけてくるようです。
mement mori という言葉が
ふと脳裏に浮かびました。
melancholia かもしれないな。
もっとゆっくり見たかった。
国立国際美術館で「エル・グレコ展」と同時開催の
宮永愛子の個展「なかそら ―空中空―」は、12月24日まで。
東京にも一緒に巡回してくれたらうれしいのにな。
作品は撮影可。この作品を撮った瞬間、電池がなくなった。
今日も明日もがんばろう。
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