酒井抱一「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」(琳派芸術2より)
琳派お得意の画題、草花図。
特に酒井抱一などの江戸琳派は
対象への眼差しがとてもやさしく繊細で、
見ていてほっこりと楽しい気持ちになります。
Birds and Flowers of Twelve Months(19th Century)
Sakai Hoitsu
こちらは酒井抱一「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」。
出光美術館の「琳派芸術2」に出ていた作品です。
花鳥図といっても、描かれているのは鳥だけでなく
蝶やトンボ、カマキリ、松虫などの姿もあり
より身近で小さな生き物に目を向けていることが分かります。
色彩も実に鮮やかですね。
特に4月の牡丹から燕子花、紫陽花、向日葵と続く流れに
なんだか心が浮き立ってきます。
それぞれ独立した花鳥図として楽しむのもいいですが、
せっかくの屏風絵ですから
右から左へ、季節の移ろいに思いを馳せながら見てみましょう。
たとえば
桜ははらりと散り落ちて、蝶に姿を変えます。
苔むした巌は蓮の葉に、向日葵は満月に。
白鷺が跳ね上げたしぶきは雪に……。
そんな微かなつながりを想像しながら
作品の世界に浸るのもいいものです。
11月と12月だけ拡大。う〜ん、すばらしい。
そういえば
つい先日、またひとつ年を重ねました。
11月生まれなのです。
抱一の「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」では、
11月の画題は白鷺ですね。
今日行って来た畠山記念館にも
伝・牧谿の「連鷺図」という掛け軸がかかっていたっけ。
凛とした、真っ白な鳥。
そんな些細なことでうれしくなってしまう。
今日も明日もがんばろう。
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