鏑木清方「秋の夜」
最近覚えたきれいな言葉。
「秋波」と書いて「しゅうは」と読みます。
美人の涼しい目元や、媚びを含んだ目つき、流し目のことなんですって。
乙川優三郎の「後瀬の花」っていう短編小説に出てきたんですが、
そこでも色っぽい視線といった意味合いで使われていました。
現代では最初の「美人の〜」の部分が抜け落ちて、
あまりよくない意味合いで使われることが多いみたいですが……。
政治の駆け引きとかね。
こういうきれいな言葉は
きれいな人に使わないともったいないと思うんだけどな。
とはいえ、「秋波」なんて言葉が似合う人が今の世の中にどれだけいるか…。
お前は何様だって叱られそうですが(笑)
Autumn Night(1919)
Kaburaki Kiyokata
こちらは鏑木清方「秋の夜」。
なんとなく「秋波」という単語の意味とか響きとか、
清方の美人画にあう気がするんですよねぇ。
媚びてる感じはしないけど、涼しげな目元とかね。
画中の女性は鈴虫に気を取られているんですが、
この姿勢のまま、ふっとこちらを振り向いたとしたら……。
少し上目遣いになってさぞかし美しいだろうな。
愁いを帯びた目元に、気もそぞろになってしまいそう。
今日も明日もがんばろう。
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