足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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菱田春草「落葉」

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眼前に広がるのは枯色の木立。
杉やトチノキ、クヌギなどの樹々がぽつりぽつりと佇み、
散り敷いた落ち葉のうえで小鳥らが遊んでいます。
今回の一点は、菱田春草の「落葉」という屏風絵です。


    菱田春草「落葉」
菱田春草「落葉」2
 Autumn Leaves(1909)
 Hishida Shunso




色彩の加減や幹の描き込み具合で木立の遠近感をあらわし、
リズミカルに樹々を配置しているものの
そこには深い深い静けさがあり、
朽ち葉の湿り気や量感といったリアリティの一方で、
光とも霧ともつかぬなかに景色がふっと消えていきます。
1909年の作品ですが、春草は同年にこれを含めて5つの同題作品を描いており、
よほど強く期するものが、あるいはこだわるべきものがあったのでしょう。


話はかわって、
今日は仕事がだいぶ落ち着いていたので
昼食がてら北の丸公園をお散歩してきました。
紅葉の見頃には少し早かったものの、
秋の澄んだ青空のしたで森の葉ずれや鳥たちの声に耳を傾け、
染まりゆく樹々、足もとの落ち葉に思いを馳せる
とても満たされたひとときでした。
途中とつぜんの雨に降られ、これは時雨か天泣かと
あわてて雨宿りをしたりして。
山茶花も咲いていて、もうすっかり秋が深まっているのでした。

北の丸公園1114



あてどなくぶらぶら歩いていたら、
八木重吉の詩を思い出しました。
「素朴な琴」という、短くてとてもきれいな詩です。


この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐へかね
琴はしづかに鳴りいだすだらう
 (八木重吉「素朴な琴」)




それでは最後に、前回に引き続ききれいな日本語を。
「愁眉を開く(しゅうびをひらく)」という言葉があります。
心配事がなくなって、ほっとした顔つきになるという意味。
秋の心はとかく「愁(うれい)」に沈みがちですが、
なるべく晴れやかな気持ちでいられたら、と思います。
そんなふうに、遠いどこかで過ごしていてほしい。
それでも気持ちがふさぐ夜には、
酒は愁いを掃う玉箒と言ってですね。
一杯飲んで眠ってしまうのがよいかと思います。
それでは今夜はこのへんで。
お気に入りのグラスで梅酒でも飲もうかな。



おまけのおまけ。





今日も明日もがんばろう。
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