柴田是真「月薄鈴虫蒔絵額」(ZESHINより)
秋の夜。
崖の向こうに顔をのぞかせた銀の月。
夜露が月光をうけとめて、そこかしこで煌めいています。
目をこらせば、光のなかと闇のなかに
それぞれ鈴虫の姿が見えますね。
柴田是真「月薄鈴虫蒔絵額」。
根津美術館の「ZESHIN」で展示されていた作品です。
Crickets on Pampas Grass under the Moon(1877)
Shibata Zeshin
黒蝋色塗のうえに銀蒔絵の満月を配し、
薄と鈴虫は黒蒔絵で表現。
露も銀蒔絵であらわし、
冷たく澄んだ夜の世界に迷い込んだかのようです。
絢爛豪華とは真逆の、寂びた美しさを感じますね。
根津美術館の「ZESHIN」へは今月初めに足を運んだのですが、
以来ことあるごとに図録を開いてはうっとりため息をついています。
是真の漆芸の魅力にどっぷりはまってしまったみたいで。
もう1回行かなきゃなぁ。
今日も明日もがんばろう。
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