足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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ウォーターハウス、3つの「オフィーリア」

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これはローズマリー。思い出の花。
お願い、ねえ、わたしを忘れないで。
(シェイクスピア「ハムレット」より)


ウォーターハウス「オフィーリア」1889
 Ophelia(1889)
 John William Waterhouse




今回もウォーターハウスの作品です。
彼はラファエル前派の画家たち同様、
シェイクスピアに材を取った作品を多数手がけています。
中でも重要な作品が「オフィーリア」。
「ハムレット」に登場する悲劇のヒロインで、
ウォーターハウスは生涯で3点の「オフィーリア」を描いています。
上の作品はウォーターハウスが1889年に描いた1つめの「オフィーリア」。
草むらに寝転び、可憐な花々に囲まれた姿が描かれていますが
このときすでに、彼女は狂気にとらわれています。
右手に黄色の花束をつかみ、左手で乱れた髪をおさえ、
虚ろなまなざしで何を思うのでしょうか。
中空にはツバメが舞い、樹々の向こうには
彼女の死を暗示する小川が流れています。


この5年後、ウォーターハウスは再び「オフィーリア」を描きます。
以前も紹介した、水辺の柳の枝に腰かけるオフィーリアです。
百合の花のような白いドレス、水に溶け入りそうな薄茶の長髪。
目を閉じて髪をくしけずるその姿は純粋そのもので、
死の直前に、狂気のなかで垣間見せた美しさに心を打たれます。

ウォーターハウス「オフィーリア」1894
 Ophelia(1894)




そして1910年、3枚目の「オフィーリア」。
過去の2作と違い、青いドレスに身を包み、
もの狂おしい瞳で真っ直ぐにこちらを見つめる姿が印象的です。
葦、睡蓮、小川、花といったモチーフがここでも散りばめられています。

ウォーターハウス「オフィーリア」1910
 Ophelia(1910)




水の名を持ち、水辺の女性を多く描いたウォーターハウス。
彼が手がけた3枚の「オフィーリア」ですが、
共通していえるのは彼女が命ある存在として描かれているということ。
ミレイのように死の姿(あるいは死の直前)を描くのではなく、
悲劇を予感させる、儚い美しさを描く。
そこに彼の美意識というかこだわりというか、
そんなものを感じるんですよね。




今日も明日もがんばろう。
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