アンリ・ルソー「蛇使いの女」(オルセー美術館展その1)
国立新美術館の「オルセー美術館展」に行ってきました。
いやー眼福眼福。名画の数々に大満足。
モネの「日傘の女性」やゴッホの「自画像」など、
一度は見ておきたかった有名絵画がずらり。
というわけで、今回からしばらく
「オルセー美術館展」で展示される絵画を紹介していきたいと思います。
今回はアンリ・ルソー「蛇使いの女」。
1907年作、画家の代表作とされる傑作で、
心をわしづかみにされるような強烈なインパクトで
しばし絵の前に立ち止まってしまいました。
La Charmeuse de serpents(1907)
Henri Rousseau
熱帯に鬱蒼と茂る緑、画面左上には奇妙に大きな丸い月。
右下には画家の想像の産物である黄金色の植物が生い茂ります。
画面右上からは大蛇が首を伸ばし、左下には色鮮やかな鳥の姿。
そして月と黄金色の植物、大蛇の頭部とピンク色の鳥を
それぞれ結んだ線が交差するところに、
鑑賞者を射抜くような、蛇使いの女の怪しい瞳が配されています。
月の光に照らし出された輪郭が黒い肢体を強調し、
そのなかで唯一白く塗られた瞳が、魔力的な光を放っています。
アンリ・ルソーが絵画を描き出したのは、30代半ばを過ぎてから。
美術知識の乏しさからか、稚拙と評されることも多かった彼の作品ですが、
この「蛇使いの女」に関しては、
それまで決まってルソーの絵を迎えていた哄笑がピタリとやんだといいます。
笑いものにしてやろうと集まった批評家たちが、
思わずごくりと唾を呑み込む場面が目に浮かぶようです。
オルセー美術館展のサイトはこちら。
アンリ・ルソーの作品は、「蛇使いの女」のほかに
「戦争」が展示されています。
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ポール・ゴーギャン「<黄色いキリスト>のある自画像」
クロード・モネ「日傘の女性」
モロー「オルフェウス」
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