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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

マティス「女と金魚」

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夏といえば夏祭り。
夏祭りといえば金魚すくい。
そして金魚といえばアンリ・マティスなのです。


女と金魚
Woman Before a Fish Bowl(1921)
Henri Matisse




こちらはマティスの「女と金魚」。
マティスといえばフォービスム(野獣派)を代表する画家ですが、
実際にフォービスムとして活動したのは1905年からの3年程度。
以降、彼はフォービスムと見なされることを嫌い、
「人々を癒す肘掛け椅子のような絵」を描き続けます。


「女と金魚」は1921年の作品。
金魚鉢を見つめる女性の表情は憂いを帯びており、
どこか気怠いしぐさとマティスにしては地味な色合いが調和しています。
彼女はいったい、何を考えているのでしょうか。。。


実は今日、友部正人の「ジュークボックスに住む詩人」という本を読んでいて、
そこで遠藤ミチロウの「カノン」という曲が紹介されてたんです。
青年の孤独を金魚にたとえた歌詞で、
なんとなくマティスの作品を連想したわけです。



遠藤ミチロウ「カノン」

ボクは今日 ふたのついた ビンの中で泳ぐ
玉虫色の光を キラリキラリさせながら
腹を出し 尾っぽを流して 泳ぐ赤い金魚

泳ぐことは頭をぶつけることだ 見ているアナタに痛さはわからないだろう
ボクは上へも下へも行かないところで
まるでアナタの知らないところで 泳ぐ赤い金魚

七色に壊れた光の中では
冷たい水と硬いガラスの 優しさに恥ずかしくなって
こんなに真紅になって泳いでいるのです

やわらかい膨らんだ腹の中には
黒ずんだ緑のフンが所狭しと詰められて
一日に数センチの悲しさをしぼり出し
この透き通った水をよごしよごし泳ぐのです

ああもう嫌だ! と思うことだけが こうして居られる力なのです
だからボクを「アイシテル」と言うのなら このビンを手にとって
あの硬いコンクリートの壁に たたきつけてください




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