ファンタン=ラトゥール「鉢と皿に生けたバラ」(クラーク・コレクションより)
バラを描いたらファンタン=ラトゥールにかなう者はいない。
バラ——フォルムも輪郭も色も凝っていて実に見事。
繊細で丸く、うねったりカールしたり襞をつけたり、
さながら手の込んだファッショナブルな帽子飾り。
ときにボタンや女性の胸のよう——
ファンタンこそ誰よりもバラを理解した画家だ。
(画家・評論家 ジャック=エミール・ブランシュ)
Roses in a Bowl and Dish(1885)
Henri Fantin-Latour
三菱一号館美術館の「奇跡のクラーク・コレクション」、
一番気に入った作品はルノワールではなく
アンリ・ファンタン=ラトゥールの「鉢と皿に生けたバラ」でした。
オフホワイトを背景に、もの静かに佇む色とりどりのバラ。
今を盛りと可憐に咲き匂うのではなく、
100年以上ものときを越えて格調高く香り立つ。
気品あふれる花の姿に心を奪われました。
過去に何度かご紹介していますが、
ファンタン=ラトゥールは「花の画家」とも呼ばれ
なかでもバラを好んで描きました。
繊細で、上品で、どちらかといえば慎ましやか。
花の絵を得意とする画家はたくさんいるけど、
やっぱりファンタン=ラトゥールは抜きん出ていると思います。
花といえば、去年のDIC川村記念美術館「フラワースケープ」でも
彼の作品が展示されていたっけ。
川村記念美もまた行きたいな。
おまけ、Bette Midler「The Rose」。永遠の名曲です。
今日も明日もがんばろう。
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