足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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ジェローム「蛇使いの少年」(クラーク・コレクションより)

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ブルートパーズのようにあやしく輝くタイル装飾。
少年が体に巻き付けた蛇もまた、青くぬめった鱗光を発しています。
ジャン=レオン・ジェローム「蛇使い」。
フランス・アカデミズムの画家が作り上げた
妖艶な異世界がここに。


ジェローム「蛇使い」
 The Snake Charmer(c.1879)
 Jean-Léon Gérôme




ジェロームはブグローなどと同時代に活躍した画家。
宝石商の息子として生まれ、ドラローシュのもとで学び、
1847年に「闘鶏」でサロン初入選を果たします。
アンリ・ルソーが敬愛した画家としても有名ですね。
そういえばルソーの代表作が「蛇使いの女」だ。。
作風は似ても似つかないけど、それだけ影響力があったんでしょう。
何せフランス画壇に君臨した、アカデミズムの重鎮です。
絹のように滑らかな肌の表現で(ザ・アカデミズム!)
師匠譲りの歴史画をものしましたが、
もうひとつ忘れてはならないのが東方趣味。
1854年にオスマン帝国治下のトルコとドナウ川流域を、
1856年にはエジプトを訪問し、
オリエンタルな作品を多く描きます。


「蛇使い」も、こうした東方趣味のもとに描かれた作品。
ただし実際に目にした場面を描いたものではなく、
たとえばブルーのタイル装飾は
現在のイスタンブールにあるオスマン帝国トプカプ宮殿の
3点のパネルから模写したもの。
裸の少年による蛇使いは19世紀エジプトの見せ物だったそうで
いろんな要素を寄せ集めて構築した架空の情景なんですね。


アカデミズムの画家たちの作品に共通して言えることですが
特殊な主題にもかかわらず画家の感情というものは見えてきません。
だから異国情緒という表現には当てはまらない。
光の表現を、戸外制作の喜びをカンヴァスにぶつけた印象派とは大違い。
それでもすばらしい作品であることには変わりないわけですが。

ジェローム「仮面舞踏会後の決闘」
 ジェローム「仮面舞踏会後の決闘」。エルミタージュ展に出てた作品です。



ジェロームの「蛇使い」は三菱一号館美術館の「奇跡のクラーク・コレクション」にて、
「アカデミズムの画家たち」と題されたコーナーに展示されていました。
ジェロームの作品は計3点、印象派中心の展覧会では珍しいような気がします。
美術史上、印象派とアカデミズムは水と油のような関係で
なかでもジェロームは、印象派を蛇蝎の如く嫌っていた画家ですから。
前にも書きましたが、カイユボットの作品を屑呼ばわりしたり
大統領に印象派を「フランスの恥辱」と進言したり…。
個人的には印象派もアカデミズムも好きなので
それぞれがどう思っていたのかなんて意に介さずなんですが、
天国のジェロームは……
自分の作品がこうして印象派とともに展示されていることをどう思ってるのかな。





おまけの「Snakecharmer」。新作は……トム・モレロが否定しちゃいましたね。。



今日も明日もがんばろう。
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Jean-Leon GeromeJean-Leon Gerome
(2010/08/17)
Laurence Des Cars、Dominique de Font-Relaux 他

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