足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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円山応挙「狗児図」(かわいい江戸絵画より)

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円山派の祖であり、
写生を重視した画風によって
日本絵画史に革新をもたらした画家、円山応挙。
彼の最大の偉業といえば……やはり仔犬でしょう!


円山応挙「狗児図」
 Puppy(1784)
 Maruyama Okyo




円山応挙「狗児図」(部分)。
ああ、もう…。
このおむすび型のたれ目といったら!
情けない表情なのに愛らしくてキュンキュンしてしまいます。
まんまるの体に見事な短足、申し訳程度にくっついた小さな尻尾。
真ん中のワンコは手前の白いワンコに覆いかぶさって
「遊ぼうよ! ねえ遊ぼうよ!」とおねだりしてるみたいです。
思わずナデナデモフモフしたくなってしまいますねぇ。
どこが写生やねんと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
応挙の目にはきっとこう見えていたんでしょう。ええ、分かりますとも。


前述のとおり応挙は円山派の祖であり、
応挙が編み出した必殺の仔犬画も代々受け継がれていきます。
長澤蘆雪とか、近代では竹内栖鳳とか。
モフモフ派と言い換えてもいいかもしれません。


今回の作品は、府中市美術館の「かわいい江戸絵画」より。
「かわいい」をキーワードに
応挙の仔犬や虎、国芳の猫、狙仙の猿、蘆雪の唐子、仙がいのゆるゆる画など
思わず笑顔がこぼれてしまうような愛らしい作品が並んでいました。
「かわいい」の解釈幅が広いので、
時々なんじゃこりゃもありましたがそれもご愛嬌。
宗達の不細工犬とか、これはこれで見ものです(笑)

府中市美術館_かわいい江戸絵画ポスター
 展覧会のチラシも異常にかわいい。こちらの応挙犬は後期展示。



作品はもちろんですが、今回は図録も要注目。
「応挙の子犬」なる論文が掲載されており、
これがまたべらぼうに面白いんです。
くらくらしそうな応挙犬の可愛さを徹底的に解剖し、
その成り立ちから応挙独自の描き方、
弟子たちによる展開などを詳細にまとめてるんですが
文章の端々に「あ〜かわいい!」というため息が混じってそうで(笑)
以下、一部抜粋です。


例えば、「雪中竹梅狗子図」の右幅の白い犬の、
前足を伸ばしお尻を上げるポーズは、
遊ぼうと誘うときに犬がよくする仕草で、
嬉しそうに尻尾を振る様子まで伝わる。
手前の白と茶は、お互いの匂いを嗅ぎ合っているところだろう。
左幅のぶち模様の一匹は、勢い余って
雪の上につんのめってしまっている。
そこに容赦なく乗りかかるもう一匹。
ひとときも止まってはいられない
子犬の最高に愛らしい瞬間を、活写している。


円山応挙「雪中竹梅狗子図」
 「雪中竹梅狗子図」。こちらも後期展示。



ちなみに図録の論文によりますと、
応挙犬の特徴は目にあるとのこと。
実物の犬の目は、視線を敵にさとられないように
黒めがちでほとんど白目が見えないんですが、
応挙犬はしっかり白目の部分が描かれているんですね。
これは人間の目に近く、楽しさや不安感など
多様な感情を表現できるのだとか。
今にも尻尾を振って動き出しそうな応挙犬の秘密は
こんなところにあったのですね。


府中市美術館の「かわいい江戸絵画」ですが、
会期は5月6日まで、4月9日からは後期展示に切り替わります。
ちょっと遠いけど、これはもう一回行くしかないでしょう。
応挙のワンコもがらっと入れ替わるみたいですし♪


ところで応挙といえば、愛知県美術館の応挙展。
前期の国宝「雪松図屏風」は東京で毎年見れるので
見に行くとしたら後期(3月26日〜)だろうなぁとずっと思っており、
さらに3月31日まで展示の「波濤図屏風」という気になる作品が。
これが4月2日から「藤花図屏風」に切り替わるんですが、
根津美術館で去年見ているっていうのを考えると……
行くとしたら31日がベストタイミングなんですよねぇ。
弾丸ツアー決行かな〜。。





今日も明日もがんばろう。
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(2013/03/01)
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