fc2ブログ

足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

円山応挙「牡丹孔雀図」(応挙展より)

2   0


前回は金地に墨一色の孔雀だったので、
今回は極彩色の孔雀をご紹介します。
円山応挙「牡丹孔雀図」。
これぞ絢爛、めくるめく色彩の一幅です。


円山応挙「牡丹孔雀図」
 Peacocks and Peonies(1774)
 Maruyama Okyo





寿石として珍重される太湖石のうえで
飾り羽をあげて下をのぞきこむ雄の孔雀。
よく見ると右下から雌の孔雀が顔をのぞかせていますね。
うしろには富貴花とも称される紅白の牡丹が咲き誇り、
見た目もモチーフも実に縁起のよい作品です。
写生の極みともいる孔雀の描き方に対して、
牡丹と太湖石は中国画からそのまま拝借してきたような印象で
この現実感と非現実感の交錯もコラージュのようでおもしろい。
それから対角線を意識した安定感のある構図も見どころですね。


愛知県美術館の「円山応挙展」では、
この「牡丹孔雀図」と同じ年に描かれた「孔雀図」という作品も
並んで展示されていました。
こちらの孔雀はしっかと大地に足をとめ、
飾り羽は真上に伸びて垂直線が強調されています。
花も牡丹ではなく控えめな撫子に置き換えられ、
同じ孔雀ながら受ける印象はまったく異なります。
これもまた応挙のすごさでしょうか。


円山応挙「孔雀図」
 円山応挙「孔雀図」。「牡丹孔雀図」よりも控えめな印象。



うーん、書いてたらまた見に行きたくなっちゃった。
東京に巡回してくれたら嬉しいんだけどなぁ。




今日も明日もがんばろう。
人気ブログランキングへ  Twitterボタン


もっと知りたい円山応挙―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)もっと知りたい円山応挙―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
(2013/03/01)
樋口 一貴

商品詳細を見る


関連記事

2 Comments

amiAmelie says...""
こんにちは
円山応挙。。 とっても繊細。。
じ〜っと 目を凝らしてみてしまいそう。。
一本一本の線をたどって見てみたい。。

西洋絵画とは 全くちがった 魅力がありますね 
2013.04.10 17:33 | URL | #- [edit]
スエスエ201 says..."Re: タイトルなし"
> amiAmelieさん

こんばんは。
どれだけ見ても見飽きることがありません。
応挙といい若冲といい、この時代の絵師はほんとにすごい。
日本はすごいんだぞ! って思ってしまいます(笑)
2013.04.10 23:39 | URL | #- [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://suesue201.blog64.fc2.com/tb.php/769-20b6f9f6
該当の記事は見つかりませんでした。