円山応挙「牡丹孔雀図」(応挙展より)
前回は金地に墨一色の孔雀だったので、
今回は極彩色の孔雀をご紹介します。
円山応挙「牡丹孔雀図」。
これぞ絢爛、めくるめく色彩の一幅です。
Peacocks and Peonies(1774)
Maruyama Okyo
寿石として珍重される太湖石のうえで
飾り羽をあげて下をのぞきこむ雄の孔雀。
よく見ると右下から雌の孔雀が顔をのぞかせていますね。
うしろには富貴花とも称される紅白の牡丹が咲き誇り、
見た目もモチーフも実に縁起のよい作品です。
写生の極みともいる孔雀の描き方に対して、
牡丹と太湖石は中国画からそのまま拝借してきたような印象で
この現実感と非現実感の交錯もコラージュのようでおもしろい。
それから対角線を意識した安定感のある構図も見どころですね。
愛知県美術館の「円山応挙展」では、
この「牡丹孔雀図」と同じ年に描かれた「孔雀図」という作品も
並んで展示されていました。
こちらの孔雀はしっかと大地に足をとめ、
飾り羽は真上に伸びて垂直線が強調されています。
花も牡丹ではなく控えめな撫子に置き換えられ、
同じ孔雀ながら受ける印象はまったく異なります。
これもまた応挙のすごさでしょうか。
円山応挙「孔雀図」。「牡丹孔雀図」よりも控えめな印象。
うーん、書いてたらまた見に行きたくなっちゃった。
東京に巡回してくれたら嬉しいんだけどなぁ。
今日も明日もがんばろう。
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