ドラクロワ「シビュラと黄金の小枝」
シビュラ。
彼女は暗い森のなかに黄金の小枝を指し示し、
高貴な心の持ち主と神々に愛されし者たちを征服し、
昏き森のなかにて金の枝を揚げる。
La Sibylle au rameau d'or(1838)
Eugene Delacroix
ウジェーヌ・ドラクロワ「シビュラと黄金の小枝」。
フランス・ロマン派の雄が描いたのは
古代ローマの詩人ウェルギリウスの叙事詩「アエネイス」に登場する巫女です。
冥界への道を進むには、黄金の小枝がなければならない。
それはシビュラの頭上にあり、彼女に選ばれた者こそ運命を切り開く者。
ドラクロワは「黄金の小枝」という伝説に並々ならぬ興味を抱いており
まさに自身が「黄金の小枝」を手にした証として、この作品を描いたようです。
画業において何かをつかんだということでしょうか。
炎をまとったようなシビュラの顔は凛々しく、
自信と誇りに満ちあふれています。
迷うことはないのだと言わんばかりに。
この作品もヤマザキマザック美術館に展示されていました。
実にドラクロワらしい、威風堂々とした作品でした。
少しだけ勇気が出たような、強くなれたような、そんな心持ちでした。
今日も明日もがんばろう。
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