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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」(クリムト展より)

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さてさて、ようやく宇都宮美術館のクリムト展の感想です。
生誕150年を記念し、愛知県美術館所蔵の
「人生は戦いなり(黄金の騎士)」を中心に据えた展覧会。
展覧会の正式名称も「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」となっています。
まずは作品を見てみましょう。


クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」
 Golden Rider(1903)
 Gustav Klimt



ウィーンに花開いた聖なる春「ヴェル・サクラム」。
その旗手であり絢爛豪華な金彩で
一世を風靡した画家がグスタフ・クリムトです。
日本の琳派にも通じるたぐいまれな装飾性は
世紀末のムードのなかで熱狂的に受け入れられ、
マーラーなど同時代の音楽家とも呼応し
センセーションを巻き起こします。
そしてクリムトがたどり着いた様式が「黄金」でした。


この「人生は戦いなり(黄金の騎士)」も黄金時代に属する作品であり、
日本美術からの影響も随所に見ることができます。
地に届くほどの長い尾が特徴的な黒馬、
そのうえにピンと背を伸ばしてまたがる黄金の騎士。
「ベートーヴェン・フリーズ」から飛び出してきたような雄々しい騎士像は
デューラーの「騎士と死と悪魔」をベースにしているともいわれています。
しかし構図は極端に簡略化されており、
描かれているのは騎士と馬、緑、そして左下に頭をのぞかせる蛇のみ。
クリムトにしては珍しく、単独の男性が描かれているのも興味深いですね。


デューラー「騎士と死と悪魔」
 デューラー「騎士と死と悪魔」。



と、ここまで紹介しておいてあれなんですが
実はぼく、この作品を見てもあまりピンと来なかったのです。
見るのは初めてでしたが、期待してたほどではなかった。
黄金時代の作品にしては、それほど煌びやかでもないですし
むしろ惹かれたのは背景や地面の緑の装飾で、
要するにクリムトの作品に関しては、風景画のほうが好みなのです。
ということで、ずいぶん長い前フリになりましたが
次回、展覧会で一番気に入ったクリムトの風景画をご紹介します。
お楽しみに〜




今日も明日もがんばろう。
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