足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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ルソー「赤ん坊のお祝い!」

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前回に引き続き、
世田谷美術館の「ザ・コレクション ヴィンタートゥール」より。
今回ご紹介するのはアンリ・ルソーの「赤ん坊のお祝い!」です。
美術史上、最も凛々しい(?)赤ん坊の肖像画です。


赤ん坊のお祝い!
To Celebrate the Baby,(1903)
Henri Rousseau




ルソーの他の肖像画同様、
遠近法を無視して描かれているせいで
赤ん坊の存在感がものすごいことになってます。
左手には当時流行していた「ポリシネル」という操り人形。
右手では洋服の裾をつまみ、摘み取った野の花が描かれています。
手にしたアイテムやしぐさは子どもらしいのですが、
顔を見ると眉根にしわを寄せて、
ちょっと怒ったような凛々しい表情。
赤ん坊は笑っているか、泣いているものという考えで絵に接すると、
思わず肩すかしを食らったような気持ちになってしまいます。


ルソーは生涯で多くの肖像画を残し(ほとんどが肖像画だった)、
そのなかには赤ん坊や子どもを主役に据えたものも多かったようです。
彼自身が描きたかったというよりは、
近隣住民から頼まれて描いたケースが多かったとか。
で、これらの作品もやっぱり、
子どもらしい愛らしさとか笑顔は皆無なんだとか。
先述したように、ルソーは遠近法や陰影法といったテクニックを持たず
その独特の画風から「素朴派」とも呼ばれるんですが、
その一方で絵のモデルに対しては肩幅や身長、顔の大きさ、目の間隔など
隅々までメジャーで測るという徹底ぶりだったそうです。
モデルへの接し方からして、他の画家とは一線を画しているわけですね。
そして彼にとってモデルが大人だろうと子どもだろうと関係なく、
生命力あふれるひとつの存在としてカンバスに向かったのでしょう。


ちなみに、ピカソはルソーの絵をこう評しています。

「彼の人物の首はいつでもからだからまっすぐ立てられていた。
 その顔の表情は不機嫌だった。子どもの顔さえだ。
 ところがにせものが描いた顔は
 まったくやわらかく甘ったるい」


さすがはルソーの理解者、ピカソ。本質を突いたコメントです。



さて、世田谷美術館の本展では、
ルソーをはじめモネ、ルノワール、ピカソ、ゴッホ、
クレー、ジャコメッティ、ルドン、コロー、ドラクロワ、
ピサロ、ドガ、ゴーギャン、ホードラー、ドニ、ユトリロ、
ヴァロットン、カンディンスキー、ブラック、などなど
ヨダレの出そうな有名画家の作品がずらり。
作品自体はさほど有名ではないけれど、
周りを気にせず心行くまで絵画を堪能できる、すてきな展示でした。
10月11日(月・祝)まで開催、そのあと神戸、長崎と移動するそうです。
公式サイトはこちらです。



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