足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

小村雪岱「青柳」

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芽吹いたばかりの青柳。
い草の香りがただよってきそうな青畳。
美しく並べられた2挺の鼓と三味線は
主がやってくるのを待っているかのようです。
小村雪岱「青柳」。
春風薫る、すがすがしい一枚ですね。


小村雪岱「青柳」
Green Willow(1924)
Komura Settai




小村雪岱は大正から昭和にかけて活躍した日本画家。
版画家、挿絵画家、装幀家としても作品を多数発表しており、
泉鏡花が雅号を与えたことでも知られています。
昨年ニューオータニ美術館で展覧会が開かれていたんですが、
都合がつかず悔しい思いをしておりまして。


そんななか、先日行った埼玉県立近代美術館のコレクション展『たまもの』で
雪岱の作品がいくつか出ており、そのうちのひとつが「青柳」だったのです。
『たまもの』はとにかく物量がものすごくて
ひとつひとつ作品を見ていたらとてもとてもまわりきれません。
そこで早足で歩いて気になった作品の前でだけ
立ち止まるという形をとったのですが、
雪岱の作品に関してはなぜか遠目でもすぐに分かるので
近づいてみて「あぁやっぱり」と嬉しくなる、みたいな感じでした。
モチーフや色彩には江戸情緒が漂っていて、
いっぽう構図はとてもモダンで斬新で。
「青柳」にしても、普通の人が同じ構図で描こうとしたら
平板でひどくつまらないものになってしまいそうです。
それが作品として成立しているのは、高い技量のなせる技かな、と。


ちなみにこの作品、
先日読み終えた「日本の音」という書籍の装幀にも使われています。
春雨の音、蛙の声、潮騒、砧の音など
四季折々の日本の音、生活のなかで奏でられる美しい音色をまとめた本で
音の名前と説明にあわせて、日本画と俳句が紹介されています。
雪岱の「青柳」は「妙音」「撥音」をあらわす作品として。
俳句は藤井紫影の「青柳の雨にもならず垂れにけり」。
すばらしい取り合わせです。



日本の音 (コロナ・ブックス)日本の音 (コロナ・ブックス)
(2011/07/26)
コロナ・ブックス編集部

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話は変わって……。
今年になってからずっと続いていた嫌なことから
ようやく今日、解放されました。
さすがにもう終わっただろうと思うと心晴れ晴れです。
仕事も来週一杯がんばれば落ち着きそうですし、
代休とってどこか旅に出て、
「青柳」みたいな畳に寝そべってのんびり過ごしたいと思います。




今日も明日もがんばろう。
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