足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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鏑木清方「秋宵」(夏目漱石の美術世界展より)

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明治時代の女学生は課業として毎日ヴァイオリンを弾いていたそうで、
小説「三四郎」のヒロイン美穪子も例に洩れず
作中では彼女が紡ぐ音色に対して
「妙に西洋の臭いがする。それからカソリックの連想がある」とあります。
これにちなんで、東京藝術大学大学美術館の「夏目漱石の美術世界展」では
鏑木清方の「秋宵」という作品が展示されていました。


鏑木清方「秋宵」
Autumn Evening(1903)
Kaburaki Kiyokata




モデルは清方の奥さんとされています。
袴姿で背中を反らすようにしてヴァイオリンを弾いており、
手元ではなく遠くを見つめる表情は凛々しくもあります。
秋の宵に響き渡る音色は、身にしみるため息のようにうら悲しく……
とヴェルレーヌの詩なんぞ連想して見ていると、
ちょっと様子がおかしいことに気付きました。
彼女の足もと、なんだか変ですよね。

鏑木清方「秋宵」足もと



手前の足の裏をこちらに向けているようなんですが、
これってかなり無理のある体勢なんです。
右足の裏をこのように見せるなんて、まずできません。
となると、彼女は袴の下で両足を交差させており、
裏側を見せているのは左足のようです。
柱に背中をもたせかければ、これでじゅうぶんバランスは保てます。
実は展覧会場の作品の前でああでもないこうでもないと
自分の足で試しまして……はたから見たら変な人だったろうな(笑)
しかしこうして考えると、あたかも清楚で理知的に見える女性も
実はちょっとお行儀が悪くて、しかも稽古に飽きてるのかな?
なんて妄想が膨らむわけです。
自由奔放な美穪子ともちょっと重なってきました。
これも新しい生き方を獲得した当時の女性像なんでしょうか。



展覧会では同時代の日本の画家の作品に対する
漱石のコメントなんかもが掲出されていて、
自分が絵を見たときの第一印象と漱石のコメントを比較するのも面白く、
意外に意見が一致したのがうれしかったです。
大文豪と自分を重ね合わせるなんて恐れ多く罰当たりではあるんですが、
思うぶんには誰かに迷惑かけることもなかろうと。




今日も明日もがんばろう。
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