足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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神坂雪佳「四季草花図屏風」

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5月29日より、日本橋高島屋にて
「美の競演 京都画壇と神坂雪佳」という展覧会が始まります。
これ、ちょっと前まで横浜の高島屋でやっていて
すっごくよかったんですよね。
神坂雪佳の作品をまとめて見る機会もこれまでなくて
あらためて、琳派を受け継ぐ画家だったのだなぁと認識。
日本橋の展示もぜひ見に行きたいと思っております。
ということで、まずはこちらの作品を。


神坂雪佳「四季草花図屏風」左隻
Flowers and Grasses of the Four Seasons
Kamisaka Sekka




神坂雪佳「四季草花図屏風」(左隻)。大正時代の作品です。
右隻にはワラビやタンポポ、カキツバタ、ボタン、アジサイなど
春夏の草花が描かれ、色使いもとてもにぎやか。
一方の左隻はススキやハギ、サザンカ、ツワブキなど
いずれも花は控えめに、情趣豊かに描かれています。
四季草花図は琳派の伝統的な画題であり、
金泥の霞のなかに浮かぶ情緒と
きらびやかで格調高い雰囲気もみごとです。


特に気になったのは、琳派の伝統技法である「たらしこみ」。
絵具が乾かないうちに別の色を垂らし、にじみを活かすというもので、
画像が小さくて分かりづらいですが
朱色のツタの葉にも金泥や緑青のにじみが目立ちます。
この組み合わせが好きな画家だったのか、それともたまたま目についたのか、
朱を地色に置いたたらしこみは他の作品にも多く見られました。
たとえばこちらの「金魚玉図」などなど。
けっこう際どい組み合わせだと思うんですが、
これがなかなか表情豊かで絶妙に機能しているんですねぇ。
琳派の先人たちだったらもう少し控えめに表現するだろうなってところを
神坂雪佳はぐいぐい出してくるわけで、
このへんは近代的なデザイン感覚なのでしょうか。


神坂雪佳「金魚玉図」
「金魚玉図」。これまたすごい構図。



もうひとつ、雪佳の作品の見どころにトリミングの妙というものがありまして
非常に構図が斬新で、これもまた琳派のトリミング感覚を進化させたような。
こちらの「十二ヶ月草花図 一月 白梅」なんて、三分の一は幹ですからね(笑)
この大胆なデザイン感覚にしびれっぱなしでした。


神坂雪佳「十二ヶ月草花図」一月 白梅
「十二ヶ月草花図 一月 白梅」。なんという大胆さ。



神坂雪佳は明治から昭和にかけて、京都で活躍した日本画家。
琳派最後の巨匠といわれることもあり、
琳派からモダンデザインへの橋渡しとなった重要な画家です。
同時代の画家には竹内栖鳳などがおり、
展覧会では雪佳が半分くらい、
栖鳳や松園などの京都画壇の作品が半分くらいという割合でした。
会期は5月29日から6月10日まで。
あっという間に終わってしまいそうなので、
日本橋でお買い物の際はぜひ立ち寄ってみてください。



今日も明日もがんばろう。
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