モーリス・ドニ「エヴァ・ムリエの肖像」
世田谷美術館の「ザ・コレクション ヴィンタートゥール」ですが、
実はモーリス・ドニの作品がお目当てでした。
1891年発表の「エヴァ・ムリエの肖像」。
う~んやっぱり最高です。
Portrait of Eva Meurier(1891)
maurice Denis
エヴァ・ムリエは、ドニの妻、マルトの姉妹。
身内の気安さなのか、モデルの表情は気張らず着飾らず、
かといって笑みを浮かべるでもなく真摯な表情。
全体的に渋い色合いでまとめられているものの、
背景の装飾的な模様や衣服の格子模様や
首筋と左手首の白い輝きによって
不思議な印象、リズムが生まれています。
エヴァ・ムリエをモデルにした肖像画は他にもあり、
たとえば緑のドレスのエヴァ・ムリエでは
同じように茶系の色合いをベースにした、
まるで大正~昭和の日本画家の作品のような印象。
実際、ドニは浮世絵の影響を受けているそうで、
絵画の平面性、二次元性を追求した画家としても知られています。
平面的だからこそ、逆に奥行きを想像してしまう。
まさに絵画の魔術といったところです。
Portrait of Eva Meurier in a Green Dress(1891)
Maurice Denis
さて、世田谷美術館の本展では、
ドニをはじめモネ、ルノワール、ピカソ、ルソー、
クレー、ジャコメッティ、ルドン、コロー、ドラクロワ、
ピサロ、ドガ、ゴーギャン、ホードラー、ゴッホ、ユトリロ、
ヴァロットン、カンディンスキー、ブラック、などなど
ヨダレの出そうな有名画家の作品がずらり。
作品自体はさほど有名ではないけれど、
周りを気にせず心行くまで絵画を堪能できる、すてきな展示でした。
10月11日(月・祝)まで開催、そのあと神戸、長崎と移動するそうです。
公式サイトはこちらです。
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