クプカ「沈黙の道」
昨晩は残念ながら曇り模様。
ペルセウス座流星群は見られませんでした。
そもそもこういうイベント抜きで夜空を眺めること自体なくなっちゃったなぁ。
Cesta Ticha(1903)
František Kupka
こちらはフランティセック・クプカの「沈黙の道」。
スフィンクスの像が両側にずらっと並び、
その間の石畳を一人歩く旅人。
この道は果てしなく続くようでもあり、
旅人は実体がないようでもあり。
空には星が輝き、中央には天の川が。
しかしよく見ると、天の川の先端は
道の彼方に吸い込まれていくように見えます。
星空をも呑み込むほどの、永遠の小道。
終わる事のない沈黙の世界。
夢の中のような、幻想的な光景です。
パッと見はちょっと怖い作品なんですが、
僕はこの絵を見るとなんだか気持ちが落ち着きます。
クプカは東ボヘミア(現チェコ)出身の画家。
この後キュビスムの影響を受け、
次第に作風を抽象絵画に傾けていきます。
沈黙の道を通り抜け、クプカ自身は
みずからの精神性を新たな芸術に昇華させていったということでしょうか。
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