足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

エミール・クラウス「タチアオイ」

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6月から7月ごろに咲く花に、タチアオイというものがあります。
はじめてこの花を見たとき、「きれい」ではなく「異様」だと感じました。
高さ2mもの茎を取り巻くように、
たくさんの花をつける姿が妙にいかめしくて。
きれいな花なのに圧迫感がものすごくて。
その後、葵(アオイ)を「逢ふ日」と掛けて
和歌に詠まれることが多かったことを知り、
少しずつ印象が変わっていったわけですが……。


エミール・クラウス「タチアオイ」
Althaeas(1895)
Emile Claus




東京ステーションギャラリーの「エミール・クラウスとベルギーの印象派」でも、
クラウスが描いた「タチアオイ」という作品が展示されていました。
薄いピンクの八重咲きの花がまぶしく咲いており、
第一印象は「可憐で快活な花」。
「異様」だなんてとんでもない!
夏の陽ざしは花をあかるく輝かせ、
影を大地に刻んでいます。
展覧会で一番気に入ったのがこの作品だったんですが、
恋愛心理でよくある「最初は嫌いだったはずなのに……」の効果でしょうか(笑)


クラウスがフランスのモネなど印象派の作品に触れるのは
1889年から数年間にわたるフランス滞在時のこと。
以来彼の作品は明るさを増し、光に包まれるようになります。
1895年に描かれた「タチアオイ」でも、
光のなかに佇む凛とした花が見事に描かれています。
ちなみにクラウスが構えていたアトリエの小屋は「陽光荘」といい、
やがて彼は「生と光」というグループを結成し、
ルミニスム(光輝主義)という画風を確立します。
制作環境もまた光に包まれていたのだろうと思うと、
なんだかうらやましい気持ちになりますね。




今日も明日もがんばろう。
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2 Comments

なつみ says..."夏がきます"
立葵は下から咲いて、咲き終わる頃には梅雨が終わり、夏がくるといわれるそうです。この展覧会は知りませんでした。来週上京しますので是非見ようと思います。楽しみが増えました。ありがとう。

2013.06.30 09:48 | URL | #- [edit]
スエスエ201 says..."Re: 夏がきます"
> なつみさん

こんばんは。
ちょうど今日、上野で見たタチアオイは一番上に花がついていました。
気がつけばもう7月、夏なんですねぇ。
東京ステーションギャラリーは、名前のとおり東京駅の建物のなかにあります。
できたばかりですので、建物の雰囲気と合わせて楽しんでくださいませ♪
2013.07.01 03:10 | URL | #- [edit]

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