ルノワール「ジャンヌ・サマリーの肖像」(プーシキン展より)
やっと会えました。
笑顔の似合う、愛しのあの子。
2年越しの想いがようやく現実に。
ルノワール「ジャンヌ・サマリーの肖像」です。
Portrait of Jeanne Samary(1877)
Pierre-Auguste Renoir
2年前に開催することが決まっていながら、
震災の影響で延期になってしまった「プーシキン美術館展」。
「復活」が決まったのは去年の秋、それ以来ずっと心待ちにしていたのです。
先に愛知県美で開催だなんてズルイ! みたいな(笑)
作品数は66点と少なめながら、古典主義からフォーヴ、キュビズムまで
バランス良く名品が並ぶすばらしい展覧会でした。
で、やっぱり一番は「ジャンヌ・サマリーの肖像」なわけでして。
まず会場の映像で作品を見たとき、「あれ?」と思いました。
ちょっと汚いような、粗いような。
実物を前にしても、最初は同じ感想だったのです。
顔や背景は文句なしにきれいなんだけど、
体や腕の青味(緑)が強いのか、なんだかアンバランスな気がして。
で、そんなときは距離や角度を変えてみるべしということで
ジャンヌの瞳に焦点を合わせながら距離を調整してみたところ……
青いドレスがふわっと浮かび上がって、立体的に見えてきたんですね。
あぁ、これぞ印象派の、ルノワールの魔法だなぁと。
人間の目って、ある一点を見つめると
そこから離れていくにしたがって暗く、ぼんやりしていきますよね。
その構造に合わせたのか、ジャンヌの瞳を意識したときに
もっともきれいに見えるように描いたのでは、という気がしました。
実際はどうか分からないけれども。
ちなみに、ルノワールの肖像画のなかでは「アンリオ夫人」が一番好き。
不動のナンバーワンです。
水色が背景の「アンリオ夫人」と、ピンクが背景の「ジャンヌ・サマリー」を
並べて見れたら幸せだろうなぁ。
横浜美術館で開催中の「プーシキン美術館展」は9月16日まで。
モスクワから来日した珠玉の作品の数々、必見です。
会期序盤の平日にもかかわらず意外に人が多かったので、
気になる方は早めに見に行ったほうがいいかと思います。
当ブログでも、しばらくこの展覧会の出品作品を紹介していきたいと思います。
話は変わりまして、本日は代休をいただいたわけですが
いつもよりちょっとだけ遅く起きて、
プーシキン展を見て、そのあと押上まで移動してすみだ水族館に行ってきました。
移動距離があれなんですけど、平日じゃないと混むだろうなぁと思って。
クラゲに癒され、グソクムシに萌え、ペンギンを見て笑顔になるひととき。
しばし暑さを忘れて、ぼんやり楽しませていただきました。
明日からまたがんばろっと。
今日も明日もがんばろう。
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