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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ピカソ「扇子を持つ女」(プーシキン展より)

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やはりピカソはすごい。
横浜美術館の「プーシキン美術館展」では
ピカソの作品が3点並べて展示されていましたが、
旧態を跡形もなく壊しては新たな世界を切り開いていく彼の画風の変転と、
尋常ならざるエネルギーに圧倒されるばかりでした。


ピカソ「扇子を持つ女」
Woman with a Fan(1909)
Pablo Picasso




こちらはパブロ・ピカソ「扇子を持つ女」。
前述の3点のうちのひとつです。
制作年は1909年。あの「アヴィニョンの娘たち」から2年後、
キュビスムの時代の初期に属する作品です。
そもキュビスムの何たるか、
その芸術性についてぼくは解するものではありません。
でもこの作品を前にしたときは
女性の異様な佇まい、暗がりからこちらを見据えるような眼差しに打たれて
妙に落ち着かない気持ちになり、なかなか立ち去ることができませんでした。


それはおそらくこの作品だけのインパクトではなく、
残り2作品との相乗効果によるものなのでしょう。
青の時代の直前、1900年に描かれた「逢引き(抱擁)」、
青の時代からばら色の時代への移行期間にあたる1905年の「マジョルカ島の女」。
どちらも「扇子を持つ女」とは似ても似つかず、
けれど並べてみるとあらためてピカソの凄みを知ることになります。
3つの作品は10年の間に描かれており
これをどう見るかは人それぞれだとは思いますが……。
ぼくが大切にしている言葉に「十年一剣を磨く」というのがあるけど、
ピカソにとっての10年はどれほど密度の濃いものだったのだろうと
そんなことを考えてしまいました。




さて、話は変わって
待ちに待った3連休、あっという間に残り1日です。
土曜は日中ゴロゴロして、夕方から飲み会へ。
……朝まででした。
で、疲労困憊の状態で布団に入って、昼過ぎに一度起きたものの
二日酔いやら何やらで外出する気にもなれず
本を読んで、まどろんで、また本を読んで、うとうとして、みたいな。
もったいないけど、たまにはこんな休日があってもいいでしょう。
ちなみに堀口大學の「月下の一群」という訳詩集を読みました。
疲れてるときとか酔ってるときは、小説よりも詩のほうがいい気がして。





今日も明日もがんばろう。
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