川合玉堂「水声雨声」
川合玉堂の“雨”のとりこになったのは、
この作品がきっかけでした。
山種美術館所蔵、「水声雨声」。
縦長の画面いっぱいに、水の音が響き渡る一枚です。
The Sounds of Water and Rain(c.1951)
Kawai Gyokudo
降りしきる雨の向こうには樹木が影のように薄らぎ
その手前では雨水が筧を勢いよく走り、水車をまわしています。
傘をさして歩く農婦が2人、
その色彩が画面に花を添えています。
篠突く雨が枝葉を揺らす音、
ザーッと筧を走る音、
ごうごうと水車に落ちる音。
「水声雨声」という題名のままに、
雨の透き間からさまざまな音がこぼれてくるようです。
(今日覚えた「透き間」という言葉、さっそく使ってみました)。
昨日は取材で遠出しておりまして、
その帰り道に山種美術館に寄りました。
川合玉堂展もいよいよ最終日、
後期展示をまだ見ていなかったので、混雑覚悟で。
「水声雨声」のような雨の表現はもちろん、
山を覆う霧や荒れた波頭、静まり返った湖面など
水の表現が抜群にうまい画家なのだとあらためて感じ入りました。
そしてどの作品も鷹揚なようでいて、
小さな生の営みがしっかり描かれている。
自然の様々を慈しむ心が随所に感じられて、
きっとやさしい画家だったのだなぁと思いました。
さて……
前回の記事では、
せっかく見にきていただいた皆さまに
嫌な思いをさせてしまったと思います。
ご迷惑やご心配をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。
記事を削除したため、いただいたコメントも消えてしまいました。
この場を借りてお侘び申し上げます。
どうなることやら分かりませんが、
ブログはこれまでどおり
のんびり続けたいと思います。
今日も明日もがんばろう。