岡田三郎助「来信」
着替の最中に、折から届けられた手紙。
帯を結ぶのももどかしく、
無心に文面を追う女性の姿が描かれています。
岡田三郎助「音信」。
うつむいた横顔はどこか寂しげで
うなだれたような左手の指がみょうに気にかかります。
Letter(1928)
Okada Saburosuke
今年もまた、ペルセウス座流星群は見られませんでした。
なぜかいつも薄曇りで、星のひとかけらも見えやしない。
一昨年のあの日は自分でもよくわからぬままに思いわずらい、
去年はどこか遠くで同じ空を仰いでいることを願いながら
じっと虚空を見つめていました。
苦しさが胸を浸して、だんだん冷たくなっていく。
受け取った片道の手紙を読み返しては、
いつになったら返事を届けられるだろうと自問自答する。
そんな夜を重ねて、気がつけばもう2年がたとうとしています。
今日も明日もがんばろう。
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