シャガール「窓辺のイダ」
なんの予備知識もなしで、誰の作品か分かったら結構すごいと思います。
マルク・シャガール1924年の作品、「窓辺のイダ」。
唯一現存する、シャガールの娘イダの肖像画です。
Ida at the Window(1924)
Marc Chagall
ただただ柔らかく、ただただ優しく、
疑問を差し挟む余地のないほどのシンプルな構図。
父性というフィルターを通したからなのか、
シャガールの夢想的なイメージは影を潜め、
限りない情愛がにじみ出ています。
パリに移住し、経済的にも比較的恵まれていた時期だからでしょうか、
シャガールの作品のなかでもとりわけ安定感が強く、
窓の向こうに目を向けるイダの表情やしぐさはもちろん、
花瓶に生けられた花々もあふれんばかりの美しさと生命力を感じさせます。
娘を見つめる父親の目というのは、
こんなにも優しいものなのかと思わせてくれる作品です。
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