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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

速水御舟「昆虫二題」

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八方に網を広げる蜘蛛と、光に群がる蛾の群れ。
ともに円形を中心に置きながらも、
放射と収斂という真逆の動きを象徴的に描いたのが
速水御舟の「昆虫二題」という作品です。
「葉陰魔手」と「粧蛾舞戯」の対作品になっており、
題名からして妖しげな…。


速水御舟「昆虫二題 葉陰魔手」
「昆虫二題 葉陰魔手」


速水御舟「昆虫二題 粧蛾舞戯」
「昆虫二題 粧蛾舞戯」




この「昆虫二題」は、
山種美術館の「再興院展100年記念 速水御舟」という展覧会に出品されていました。
これまで何度か見ている作品ですが、
今回は代表作「炎舞」と同タイミングでの展示ということで
やはり二題のうち、蛾の群れを描いた「粧蛾舞戯」に目がいってしまうわけです。
「炎舞」の1年後に描かれたこの作品、
逆巻く炎を真上からとらえた構図のように感じました。
「炎舞」は真横から、炎に灼かれておどる蛾を描いた作品でしたが
「粧蛾舞戯」は蛾の視点で描いているようで、
その行き着く先は滅びであるにもかかわらず、
神々しい光をたたえているんですね。
「金粉をこぼして火蛾やすさまじき」
松本たかしの俳句を連想させる、すさまじい作品でした。


速水御舟「炎舞」2
「炎舞」。仏画のような精神的な炎が、蛾と交錯するあたりから徹底的な写実描写に。




山種美術館の「再興院展100年記念 速水御舟」は
岡倉天心の精神を引き継ぎ、横山大観らが再興した院展が
来年で100周年を迎えることを記念したもので、
院展の第1回から作品を出品し、日本美術の隆盛に貢献した速水御舟の作品を中心に
大観、春草、観山、土牛、遊亀など院展の画家たちの作品を集めた展覧会。
御舟の作品は「昆虫二題」のほか、
「炎舞」や「翠苔緑芝」など代表作が勢揃いです。
会期は10月14日まで。




今日も明日もがんばろう。
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2 Comments

says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013.08.26 18:28 | | # [edit]
スエスエ201 says..."Re: タイトルなし"
> yamanekoさん

こんばんは。コメントありがとうございます。
こちらこそ……読んでいただき感謝です。
これからものんびり続けていきたいと思います。
2013.08.27 01:31 | URL | #- [edit]

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