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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

竹内栖鳳「日稼」

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東京国立近代美術館の「竹内栖鳳展」、
はじまってすぐに見に行ったにもかかわらず
紹介しそびれておりまして。。。
気がつけばこの連休で終わってしまうんですよね。
もう1回見に行かなくては…。


竹内栖鳳「日稼」
Day Laborer(1917)
Takeuchi Seiho




ということで、竹内栖鳳の「日稼」という作品です。
これまで栖鳳が女性を描いた作品といったら
現存するのは「絵になる最初」「アレ夕立に」くらいでしたが、
長く行方不明になっていた「日稼」が再発見され、
展覧会へ出品の運びとなったそうです(前期のみ展示)。



東本願寺の庫裡で見かけた一人の女性の何気ないしぐさに惹かれ、
栖鳳はこの、汗をぬぐいながら湯呑みを手にする一場面を描きます。
鮮やかな衣服の青が美しく、左上に掛けられた仏画の光と対応していますね。
そしてその延長線上、女性の足もとには白い鳩。
光、青い服、白い鳩。
なんとなく、聖書の一場面を連想してしまうのは考え過ぎでしょうか。
栖鳳は、実際に女性の背後に仏画が掛かっているのを見て
イタリアの寺院で見た古画を連想したそうですが……。


ちなみに栖鳳は「日稼」を失敗作と考えていたらしく、
確かに他の作品に比べると全体的に色がきつく
また構図もどことなく変な気がします。
釜の手前の茶碗の配置とか、妙に気になってしまうんですよね。
女性の表情は素晴らしいと思ったけれど。
とはいえ、珍しい作品を見れたことは間違いなく
なんだかんだで嬉しかったわけですが。


竹内栖鳳展は、連休最終日の10月14日(月)まで。
ぎりぎりまで後期展示に行かなかったのには訳があって、
8日から14日にかぎり、「ベニスの月」の原画と
それをもとにしたビロード友禅が合わせて展示されるんです。
原画は5月に世田谷美術館で、
ビロード友禅はこの展覧会の前期で見ているんですが、
ぜひ一度、並んでいるところを見てみたいと思っておりまして。
会期残りわずかですので相当な混雑が予想されますが、
絶対に見ておいて損はないと思います。




今日も明日もがんばろう。
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竹内栖鳳: 京都画壇の大家 (別冊太陽 日本のこころ 211)竹内栖鳳: 京都画壇の大家 (別冊太陽 日本のこころ 211)
(2013/09/02)
廣田 孝

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