マティス「コリウールの開かれた窓」
ちょっと手を休めて、
窓の外の美しさを眺めよう。
そこに世界がある。
——楽しもう。
今夜外へ出て、星空を眺めよう。
それは大自然の驚異だ。
(デール・カーネギー)
Open Window Collioure(1905)
Henri Matisse
こちらはアンリ・マティスの「コリウールの開かれた窓」。
地中海に面したフランスの町で、
マティスは窓をモチーフにした作品をいくつか残しています。
窓辺に悲しくもたれたムンクとは違って、
マティスが描く窓は光にあふれ、歓喜そのもの。
窓の外に広がる世界を、その美しさを、軽やかに描き出しています。
差し込む光、小鳥たちの鳴き声、地中海の風。
そのすべてが、画家の感性を刺激したのでしょう。
職場では自分の席が窓際なこともあって、
よく窓の下の風景を観察したりしています。
今日みたいな日には雨に濡れる路面を、色とりどりの傘を。
晴れた日には、ビルを染める夕陽を。
そしてすらっと足の長いOLを(笑)
要するに現実逃避ですね。
たまにはどこか見晴らしのいい場所で、
窓外の景色に思いを馳せたいものです。
実は怒濤の20連勤でして、あと1週間、
26日までノンストップなのです。
なので今月は一度も美術館に行ってないし、
一冊も本を読んでないし、映画も見てない……。
いかんなぁと思いつつ。
窓を開けてリフレッシュしなくては。
こちらも、マティスが描いたコリウールの窓。
僕は、窓がひとつ欲しい。
あまり大きくてはいけない。
そして外に鎧戸、内にレースのカーテンを持つてゐなくてはいけない、
ガラスは美しい磨きで外の景色がすこしでも歪んではいけない。
窓台は大きい方がいいだらう。窓台の上には花などを飾る、花は何でもいい、
リンダウやナデシコやアザミなど紫の花ならばなほいい。
そしてその窓は大きな湖水に向いてひらいてゐる。
湖水のほとりにはポプラがある。
お腹の赤い白いボオトには少年少女がのつてゐる。
湖の水の色は、頭の上の空の色よりすこし青の強い色だ、
そして雲は白いやはらかな鞠のやうな雲がながれてゐる、
その雲ははつきりした輪廓がいくらか空の青に溶けこんでゐる。
僕は室内にゐて、栗の木でつくつた凭れの高い椅子に座つてうつらうつらと睡つてゐる。
タぐれが来るまで、夜が来るまで、一日、なにもしないで。
僕は、窓が欲しい。たつたひとつ。……
(立原道造 草稿「鉛筆・ネクタイ・窓」より)
今日も明日もがんばろう。
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