ドニ「彼女は夢よりも美しかった」
ようやく仕事が落ち着いてきて、
日中時間があいてしまったので三菱一号館美術館へ。
所蔵品展ということでそれほど期待はしていなかったんですが、
思いもよらぬ出会いがありました。
大好きなモーリス・ドニの作品です。
She was More Beautiful Than Dreams(1898)
Maurice Denis
モーリス・ドニの連作「アムール」より、
「彼女は夢よりも美しかった」。
朝靄につつまれたような淡い色彩は
夢から覚めたばかりの世界を思わせます。
そこにたたずむ美しい女性は、ドニの愛妻・マルト。
連作「アムール」はドニがマルトと結婚する前に、
彼女を思って書いた日記の文章に由来しているそうです。
会場にはその文章の一部も展示されていたんですが、
祈りのような愛の言葉が胸に迫って……。
こんな風に人を愛せたら、どんなに素晴らしいだろう。
ドニの詩的な文章には、そう思わせる力強さがありました。
ドニ「アムール」より、「物腰は優しく清らかな」
三菱一号館美術館の小さな部屋にならぶ
13点の淡いリトグラフを見ていたら、
なぜだか泣きたいような気持ちになりました。
そしていろんなことを思い出しました。
楽しかった日々のことを、今も愛しく思い出せる。
それはきっと、幸せなことなのでしょう。
今日も明日もがんばろう。
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