足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

木島櫻谷「寒月」

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屏風に月と竹と夫から狐だか何だか動物が一匹いる。
其月は寒いでしょうと云っている。
竹は夜でしょうと云っている。
所が動物はいえ昼間ですと答えている。
兎に角屏風にするよりも写真屋の背景にした方が適当な絵である。
(夏目漱石)


       木島櫻谷「寒月」右隻

木島櫻谷「寒月」左隻
Winter Moon(1912)
Konoshima Okoku





木島櫻谷「寒月」。
かの夏目漱石が徹底的に酷評した、いわくつきの屏風です。
漱石としては西洋絵画に通じる写実的な表現を
日本画に持ち込んだことが気に食わなかったようですが、
案に相違してこの作品は文展で高い評価を受け、二等賞に選ばれています。
この10年程前には洋行から帰った竹内栖鳳が
西洋画の技法を取り入れた作品を発表しており、
時代が求める変化のただなかに木島櫻谷という画家もいたのでしょう。


木島櫻谷は京都三条室町に生まれ、
円山四条派の流れを汲む今尾景年という日本画家に学びます。
得意としたのは動物画。
円山四条派の伝統画題である孔雀のほか、猪や鹿、狐、
さらには本物と見紛うばかりの獅子もたびたび描いたといいます。
ん……?
京都、円山四条派、動物画、獅子……。
これって、竹内栖鳳と重なるんですよね。
動物画について違いを挙げるとするなら、
栖鳳のほうが真に迫っており、櫻谷は詩情を感じさせるといったところでしょうか。
たとえば「寒月」では、雪中を黙々と歩む狐の孤独感が伝わってきます。
それを漱石はあざといと感じてしまったのかもしれませんが……。

木島櫻谷「獅子」 木島櫻谷「孔雀」
木島櫻谷「獅子」と「孔雀」。栖鳳の獅子に負けず劣らぬインパクト。




木島櫻谷の作品は、京都の泉屋博古館で見ることができます。
会期は12月15日まで。旅先なのに迷わず図録を買ってしまうくらい、素晴らしい内容です。
そして来年1月11日より、東京の泉屋博古館分館に巡回するそうです。
これはまた見に行かなくちゃなぁ♪


ちなみに京都に話を戻しますと、
泉屋博古館の近くに「日の出うどん」といううどん屋さんがあって、
そこのカレーうどんが絶品なのだそうです。
タクシーのおっちゃんに教えてもらって、
細見美術館から20分くらいかけて歩いていったら定休日で(涙)
仕方なくトボトボ歩いていたら泉屋博古館にたどり着いた次第でして。
よって、木島櫻谷展はまったく予定に入っていない、偶然の出会いなのでした。
カレーうどんが食べられなかったのは残念無念ですが、
素敵な展覧会に巡り会えたのでよしとしましょう。






今日も明日もがんばろう。
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2 Comments

めい says...""
おお、木島櫻谷展、泉屋博古館分館に来るのですね!良いことを聞きました♪
京都では竹内栖鳳展、下絵、皇室の名品を見てこようと思います!(^-^)

木島櫻谷、つい先日チラシを手にするまで存じませんでしたが、
おっしゃるように、竹内栖鳳との共通点が多いと聞けば、これは見逃すわけにはいきませんね。
写実的な動物画、楽しみです。
2013.11.18 21:31 | URL | #mQop/nM. [edit]
スエスエ201 says..."Re: タイトルなし"
> めいさん

こんばんは。
木島櫻谷の件、まだ泉屋博古館分館のホームページでアナウンスされてませんが、
図録に書いてあったので確かかと。
京都旅行も楽しんでらっしゃいませ〜♪
2013.11.19 03:51 | URL | #- [edit]

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