足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

円山応挙「七難七福図」

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激しい炎に焼け出され、逃げ惑う人々。
描かれているのは地獄絵図ではなく、
決して人ごとではない現世の恐怖。
円山応挙「七難七福図」という巻物の一場面です。


円山応挙「七難七福図」




京都の相国寺承天閣美術館の「円山応挙展」。
その目玉ともいえるのが、上にあげた重要文化財「七難七福図」です。
「天災巻」「人災巻」「福寿巻」の3つの巻物で、
全部あわせると全長35mにもおよびます。
天災・人災の被害にあうのが百姓や町民なのに対して
福寿の対象となっているのが公家や武士なところに少し違和感を覚えましたが、
それだけに天災・人災は容赦ないというか……見てられません。
「天災巻」は地震、洪水、大火、雷、鷲(子どもが鷲に連れ去られる)、うわばみ(大蛇)。
「人災巻」は盗賊、追いはぎ、心中、水責め、切腹、自殺、火責め、獄門、
斬首、磔(はりつけ)、のこぎりびき、牛裂きといった具合。
ひたすら血みどろの凄惨な場面が続くわけです。


発案者は円満院祐常という人物で、
構想はあったもののみずから形にすることができず、
絵師に頼んでも満足のいくものがつくれず月日が流れるばかり。
そんなときにあらわれたのが円山応挙で、
祐常のイメージを見事に形にし、3年もの時間をかけて
この大作を完成させたのだそうです。
以下、図録より祐常の言葉(大意)を抜粋。


世に地獄極楽の図はいろいろあるが、
所詮それらは仏説の中で説かれた世界であり、
空想や過去の物語絵の中の世界であって、
必ずしも人々の注意を惹きつけるものではなく、
恐怖感も軽くなってしまうものである。
したがっていかにも現実にありそうだと
人々が思えそうなもので強く注意を惹き、
恐怖感や幸福感をひしひしと感じさせるものを図にしたい。



さて、実際にこの巻物を見た当時の人々の反応はどうだったのでしょう。
現代人が見ても目を背けたくなるくらいですからねぇ。
と言いつつ、おっかなびっくり凝視してしまうすごさがこの巻物にはあるわけで。
またひとつ、応挙のすごさに気付かされました。
ちなみに図録では、「七難七福図」が
130ページ近くにわたって原寸大で紹介されています。
その一事だけでも、この作品の重要度が分かるというものでしょう。


相国寺承天閣美術館の「円山応挙展」は12月15日まで。
「七難七福図」のほか、おなじみの「牡丹孔雀図」、
特大サイズの「大瀑布図」や愛らしいワンコたち、蘆雪など弟子の作品が展示されます。
その後、内容を変えて12月21日から後期展示がはじまります。
こちらでは、初公開となる障壁画が予定されているとのことで
また1月あたりに行けたらなぁ、と思う次第でして。
雪の京都もまた風情があって素敵でしょうし。


相国寺の庭園
相国寺の庭園。応挙(応瑞?)のワンコもお出迎えでした♪







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