足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

長谷川等伯「松林架橋図襖」

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相国寺承天閣美術館から歩いて20分くらい。
油小路通りというあまり目立たない道沿いに樂美術館があります。
初代・長次郎から続く楽焼の伝統をいまに伝え、
茶道具の数々を所蔵するすばらしい美術館です。


長谷川等伯「松林架橋図襖」



こちらは樂美術館所蔵、長谷川等伯「松林架橋図襖」。
大徳寺。三玄院の方丈に描かれた山水図襖のうちの四面に当たります。
主が留守のあいだに、勝手に描いてしまったというあれですね。
雲母刷りの桐紋を雪に見立て、そこに幽遠な松林と橋を描く。
以下、安部龍太郎の小説「等伯」より。


三方には桐紋を雲母刷りにしたふすまが立ててある。
それを見ているうちに、信春は故郷に降るぼたん雪を思い出した。
後から後から音も亡く降る雪が、人々の暮らしを封じている。
静子や久蔵をつれて丹後の港にたどり着いた日も、こんな雪が降っていた。
(中略)
信春はまず天に向かって突き上げるように山を描き、ふもとに楼閣や寺院を配した。
これは周山街道を都に向う途中で見た神護寺の風景だが、
雅やかで水準の高い都の文化そのものを表している。
その右側に描きなれた松を数本対置させ、
さらに右には船から下りて歩き始めたばかりの三人を描き込んだ。



ちなみにこの屏風は秀吉から下賜されたもの。
等伯のこの行いは、殺されても文句は言えないレベルだったわけです。
なぜ等伯はこんなことをしたのか、そして彼の運命やいかに……!?
気になる方は安部龍太郎の「等伯」を読んでみましょう(笑)



樂美術館の秋季特別展「利休/少庵/元伯/千家の時代」展では
楽焼の茶碗・茶道具とあわせて、修復完成記念特別展示として
等伯の「松林架橋図襖」が公開されていました。
平日のこととて人も少なく、静かな館内でスツールに腰かけて屏風の世界に浸るひととき。
前述の等伯のエピソードを思いながら、至福の心地なのでありました。
楽焼の数々も素晴らしく、なかでも常慶の「香炉釉井戸型茶碗」のすばらしいこと!
等伯の屏風絵とあわせて、ぜひ見ておきたい逸品でございます。

常慶「香炉釉井戸型茶碗」
常慶「香炉釉井戸型茶碗」。ひとめぼれ。



樂美術館の入り口
樂美術館の入り口。いい感じです♪



ちなみに承天閣美術館から樂美術館へ向う途中、
昼ご飯がまだだったので
こがん亭という小料理屋さんでカレーをいただきました。
野菜がごろごろ入った和風のカレーで、ボリュームも味も満足の出来。
後で知ったんですが、芦屋小雁(雁之助の弟)のお店なんだそうです。
ここ、おすすめです♪





今日も明日もがんばろう。
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等伯 〈上〉等伯 〈上〉
(2012/09/15)
安部 龍太郎

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