ピサロ「小川で足を洗う女」
森のなか、木漏れ日の下
川縁に腰をおろして足を洗う女性。
澄んだ小川は彼女の白いすねを写し、
光を受けてきらきらと輝いています。
筆触さえも柔らかく思わず表面をなでてみたくなる一枚。
カミーユ・ピサロの「小川で足を洗う女」という作品です。
Woman Bathing Her Feet in a Brook(1894-95)
Camille Pissarro
この作品も東京富士美術館の「光の賛歌 印象派展」で展示されていました。
描かれているのは何気ない日常、ささやかな営みですが
この作品の前でぴたっと足が止まってしまったのは、
ある絵画を連想してしまったからです。
水で体を洗う女性。顔の傾き。
ブーシェの「ディアナの水浴」とよく似ているなぁと。
参考:ブーシェ「ディアナの水浴」
どうでしょうか? そうでもないかな……。
「ディアナの水浴」はルノワールが惚れ込んだ作品で、
これを模写するためにせっせとルーブル美術館に足を運んだのだとか。
そんなこともあって、印象派とは縁が深い一枚なのです。
ピサロの穏やかな「小川で足を洗う女」の前で
こんな作品を連想してしまったら、
それは立ち止まってしまうだろう、ってなもんで。
こういうふうに、過去の名画と勝手に結びつけながら鑑賞するのも楽しいものですよ。
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今日も明日もがんばろう。
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