リヴィエール「エデンの園」
暗く寒々しい公園。
さっきまで雨が降っていたのでしょう、
濡れた地面は男女の足もとをぼんやりうつしています。
傘は男性が手にした1本だけ。
きっと肩を寄せ合って、身を震わせながらここまで歩いてきたのだと思います。
タイトルは「エデンの園」。
ヒュー・ゴールドウィン・リヴィエールという、英国の画家の作品です。
The Garden of Eden (1901)
Hugh Goldwin Riviere
エデンの園であるならば、
2人は故郷を追い出されたばかりなのでしょうか。
いや、きっとその逆なのだと思います。
罪をとがめる雨はやみ、2人は想いを確かめるように手をつなぎ
互いを見つめています。
女性の顔は晴れやかで幸福そのもの。
男性も笑顔で彼女の視線を受け止めているはずです。
許された2人は、もう一度エデンの地を踏む——そんな絵なのではないでしょうか。
この作品は、昨年12月に徳島の大塚国際美術館で見たものです。
陶板による複製画でしたが、この絵はなぜだか忘れられなくて。
年をまたいでしまいましたが、
次回から大塚国際美術館について書きたいと思います。
ではでは。
今日も明日もがんばろう。
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