大塚国際美術館の陶板複製画
バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂に行ってきました。
正面にはミケランジェロの「最後の審判」、
そして見上げれば同じくミケランジェロによる天井画。
その偉大なる功績を目の当たりにして、
ただただ圧倒されるばかりでした……。
というのは嘘でして(笑)
これ、徳島の大塚国際美術館の複製画なんです。
古代壁画から現代絵画まで、西洋の名画1000点あまりを陶板で原寸複製し、
作品によっては上述のミケランジェロのように空間まるまる再現する徹底ぶり。
当然、陶板なので微妙な筆触の立体感などは表現できません。
とはいえ、本やネットでしか見ることができなかった名画の
サイズ感を知ることができるだけでも儲け物です。
そして何といっても、約1000点という物量。
2時間もあれば見てまわれるかと思ってたんですが、とんでもない。
作品ごとの解説文もしっかりしてるので、半日は楽しめると思います。
さらにここで展示されてる作品、手で触れるのもOKなんですね。
複製を触ってどうするんだっていうのもあるんですが、
たとえばフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の
ぽってりとした唇に触れることだってできるわけです。
これが実物だったら…! とフラストレーションがたまるかもしれませんが(笑)
ということで、たくさん写真とってきたので一部ご紹介します。
マティアス・グリューネヴァルト「イーゼンハイムの祭壇画」。
複製なのに、この存在感。
ラファエロ「小椅子の聖母」。
聖母子といえばこれでしょう。
フィリッポ・リッピ「聖母子と二天使」。
大好きな作品です。
西洋美術館のゴヤ展では片方しか見れなかったけど、並ぶとこうなります。
ゴヤ「裸のマハ」と「着衣のマハ」。
そして黒い絵。ゴヤが晩年を過ごした聾者の家での配置のままに展示。
これが一番見たかったのです。
モネ「ラ・ジャポネーズ」。
当ブログの記念すべき第1回を飾った作品で、
6月には世田谷美術館で実物を見ることができますよ♪
ホイッスラー「白のシンフォニーNo.2 ― 白衣の少女」と
「灰色と黒のアレンジメント 第1番 画家の母の肖像」。
今年9月から京都で、12月から横浜で待望のホイッスラー展です!
青騎士より、大好きなマルクとマッケ。
この色使いにしびれます。
と、こんな感じで名立たる名画がずらずらずらっと
これでもか、これでもかとぐいぐい来るわけです。
美術館とカタログの中間みたいなイメージでしょうかね。
本だと平面的にしか見ることができないけど、
ここでは原寸大で、立体的に見ることができる。
その違いはかなり大きくて、
たとえばゴヤの黒い絵「我が子を喰らうサトゥルヌス」なんかは
上からのしかかってくるぐらい大きいと思ってたんですけど
実際は意外に小さかったり(といっても高さ1.5mくらいですが)。
ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画なんかも、
国立西洋美術館のミケランジェロ展で
「デルフォイの巫女」の複製画が大塚国際美術館から出張してましたが
これを実際の天井の高さで見ると……といった形で、また違う見方ができるんですね。
もちろん、これで満足してしまってはダメでして
いつか実物を見なくちゃいけないわけですが……。
それから案外、実物を見たことがある作品も多かったんですよね。
そのときの記憶を引っ張り出しながら鑑賞するのもまた楽しいもので。
美術鑑賞をはじめてわずか5年ほどですが、
そのあいだにたくさんの素敵な展覧会に巡り会えたってことでしょう。
この時代の東京で暮らせていることに、あらためて感謝です。
今日も明日もがんばろう。
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