足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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ロセッティ「愛の杯」

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ラファエル前派の実質的な活動期間は、わずか5年程度。
中心人物のミレイは体制側ともいえるアカデミーの会員となり、
ハントは宗教画を研究するため中東へ。
そしてロセッティは……
「いま円卓全部が崩壊した」と
騎士たちの終焉を妹への手紙に記し、
新たな道を模索しはじめます。


ロセッティ「愛の杯」
The Loving Cup(1867)
Dante Gabriel Rossetti




ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「愛の杯」。
ハートをあしらった杯は、恋人同士で酌み交わすラヴィング・カップ。
額には「甘き夜、楽しき日/美しき愛の騎士へ」と記されており
遠く戦場へ旅立った騎士を思い、乾杯しているのでしょうか。
背景の4枚の真鍮の皿、壁の模様、蔦の葉が装飾性とリズムを生み、
深紅のドレスをまとった女性の存在感を引き立たせているようです。


ラファエル前派の分裂後、
一部をのぞき作品の公開をやめ
半ば伝説の画家と化したロセッティ。
自然主義から脱却して中世世界に浸っていた彼が出会ったのは、
ウィリアム・モリスやバーン=ジョーンズといった
ラファエル前派第2世代とも呼ばれる画家たちでした。
そして彼らの活動は芸術のための芸術、唯美主義へとつながっていきます。
唯、美しく——。
あらゆるものの中で、美を最上とする考え方。
ロセッティの「愛の杯」が唯美なのかどうかは分かりませんが、
美しい作品であることに違いはありません。


三菱一号館美術館では、彼ら英国の唯美主義に焦点をあてた
「ザ・ビューティフル」という展覧会が開催されています。
森アーツのラファエル前派展から、三菱一号館の唯美主義へ。
その橋渡しともなるべき存在こそロセッティなわけですね。
ぼくはそもそもラファエル前派が好きで、かつ象徴主義あたりも好きだったんですが
唯美主義、というと画家の名前や作品はいろいろ知っていても、
美術史における位置づけや精神性はあまり知りませんでした。
自分のなかで欠け落ちていたピースがうまっていくような喜びを感じつつ、
やはり美しいものは素晴らしい、という結論に達したのでありました。



■三菱一号館美術館「ザ・ビューティフル - 英国の唯美主義1860-1900」の公式サイトはこちら
■ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの作品一覧はこちら





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