ウォーターハウス「魔法の庭 — ボッカッチョの物語より」
雪降り積もる真冬の庭に、
色鮮やかな5月の花を。
The Enchanted Garden(1916-17)
John William Waterhouse
ウォーターハウス「魔法の庭 — ボッカッチョの物語より」。
未完の遺作となったこの作品は、
ボッカッチョの「デカメロン」を題材として描かれました。
14世紀中頃、ペストの猛威から逃れるために
邸宅にこもった男女10人が、1人10話ずつ、
計100の物語を披露しあって退屈をしのぐというもの。
ウォーターハウスが描いたのはその10日目、第5話。
その内容とは……
騎士アンサルドに言い寄られ、
困り果てたディアノラという女性は
真冬の庭を5月の花が咲き誇る庭に変えてくれたら
身を任せようと約束します。
ところが、アンサルドは魔術師の力を借りて
この難題に答えてしまうんですね。
ウォーターハウスが描いたのは、
花に覆われた庭に立って、ディアノラが困惑の表情を浮かべる場面。
左端には杖を持った魔術師の姿が見てとれます。
ちなみにアンサルド(右端の男性)は
ディアノラを約束から解放し、めでたしめでたし、となります。
土曜は記録的な大雪ということで、
せっかくの休日でしたが終日引きこもって
ウォーターハウスの本を読んでおりました。
きっすいの英国アカデミーの画家でありながら、
外光派の技術とラファエル前派の主題を取り入れた作品の数々は
文学との関連性も強くてページをめくるたびに胸が高鳴って。
やっぱりいいなぁ、としみじみ感じ入った次第です。
ウォーターハウス展、どこかでやってくれないかなぁ。
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今日も明日もがんばろう。
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