ミヒャエル・ボレマンス「木蓮」
木蓮の花。
かろうじてその命をつなぎ、
散るときを待つ——。
先に逝った花弁は血糊のように赤みを増し、
一方で花瓶は消えてしまいそうに果敢ない。
命とはなんだろうと、そんなことを考えさせられる一枚でした。
ミヒャエル・ボレマンスの「木蓮」という作品です。
Magnolia(2012)
Michael Borremans
品川の原美術館で、
「ミヒャエル・ボレマンス アドバンテージ」という展覧会が開かれています。
ベルギー出身の現代美術作家による、日本で初の個展。
30点あまりの小品で構成され、原美術館の雰囲気と実にマッチしていました。
その作品は、いずれも内省的で陰鬱で、果てしない静寂に包まれています。
彼岸を描いたような、そんな気さえするほどに。
答えはなく、謎めいている。だから気になってしまう。
その世界観は高島野十郎にも似ていると感じました。
孤独の淵にたたずんで、思索にふけっているような。
参考:高島野十郎「からすうり」
展覧会は3月30日まで。
静物画は少なくて、多くは謎めいた人物画です。
ミヒャエル・ボレマンス「羽根」
今日も明日もがんばろう。
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